大切な家族が亡くなった後、その遺品であるスマートフォンのロックを解除できずに困っている人も多いのではないでしょうか。
近年、故人のスマホが開けずにネット銀行口座の確認やサブスクの解約ができないといった「デジタル遺品」のトラブルが増えています。何が残されているかわからないまま放置され、相続や契約の手続きに支障をきたすケースも少なくありません。
この記事を読んで分かること
- 故人のスマホにアクセスできない理由
- iPhone・Android別に確認すべき公式の初期化・解除方法
- 遺族が自力で対応する際の注意点
- ロック解除を依頼できる専門業者の種類と依頼の流れ
- スマホのロック解除で生じやすいトラブルと予防策
- 生前にできるスマホ・データ管理の備え方
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なぜ故人のスマホのロック解除が必要なのか
スマートフォンには、写真や連絡先、金融口座など、故人の大切な情報が数多く保存されています。ロックを解除できなければ、それらにアクセスできず、遺族が必要な手続きや確認を進められなくなるおそれがあります。
ここでは、スマホを開けないことで実際にどのような支障が生じるのかを整理しましょう。
- スマホに遺された大切な情報
- 開けないことで生じる問題
スマホに遺された大切な情報
スマートフォンには、故人の思い出や生活に関わるさまざまな情報が保存されています。写真や連絡先、金融口座や契約情報など、見た目にはわかりづらくても実質的に重要な情報ばかりです。ロックを解除できなければ、それらの確認や手続きが進められず、遺族にとって大きな負担となる可能性があります。
以下に、スマートフォン内に遺されやすい情報の代表例を整理します。
カテゴリ | 具体例 | 整理が必要な理由 |
---|---|---|
写真・動画 | 思い出の画像、子どもの成長記録など | 遺族の心の支えになるが、端末ロックで失われるリスクあり |
連絡先・メモ | 家族・友人・取引先の電話番号、重要メモ | 葬儀連絡や事後手続きに必要な情報が含まれることも |
金融口座情報 | ネット銀行、証券口座、仮想通貨など | 相続対象となるが、ID・パスワードがわからないと引き出し不能に |
契約情報 | サブスクリプション、公共料金、通販サイト | 解約できずに継続課金されるリスクがある |
スマートフォンは単なる通信端末ではなく、故人の財産や記憶を預かる重要な情報媒体です。整理の手順を誤れば、相続の遅れや思い出の喪失にもつながりかねません。
開けないことで生じる問題
故人のスマートフォンにロックがかかったままでは、遺族が中の情報にアクセスできず、さまざまな支障が生じるおそれがあります。写真や連絡先の確認にとどまらず、資産の把握や契約の解約など、手続き上の問題も多く発生します。
特に次のようなトラブルが起きやすく、いずれも早期に適切な対応が求められます。
- ネット銀行や証券口座の資産が確認できない:ログイン情報が不明のままでは残高の確認や引き出しができず、相続手続きが滞る原因になる
- サブスクリプションや有料契約の解約ができない:サービスの自動更新が続き、不要な料金が引き落とされ続けてしまうケースがある
- 大切な写真や連絡先が取り出せない:葬儀の連絡先や思い出の画像がスマホにしか保存されておらず、失われてしまう可能性がある
- SNSやクラウドアカウントが放置される:乗っ取りやスパム投稿など、アカウントの悪用リスクが高まるおそれがある
このような事態を避けるには、ロック解除やデータの取り出しについて早めに対応方針を決めておきましょう。必要に応じて専門業者への相談も視野に入れると安心です。
遺族ができること|スマホのロック解除を試す方法
ロックされた故人のスマホを前に、遺族が最初に試せるのは、生前に共有されていた情報をもとに解除を試みる方法です。ここでは、iPhone・Androidそれぞれの公式なロック解除手順と注意点を整理します。
- iPhone・Androidの解除方法
- 生前に共有されていた情報がある場合
- 自力で難しいと感じたら
iPhone・Androidの解除方法
スマホのロック解除は、基本的に「初期化(データ消去)」が前提です。ここでは、iPhoneとAndroidそれぞれの公式手順と注意点を整理します。
iPhoneの場合
Appleでは、パスコードが不明な場合のロック解除方法として、初期化(工場出荷時リセット)のみを案内しています。初期化の基本手順と注意点は以下の通りです。
【初期化の手順(パスコードが不明な場合)】
- iPhoneをパソコンに接続する
- モデルに応じたボタン操作でリカバリーモードを起動する
- iTunesまたはFinder上でデバイスを認識
- 「iPhoneを消去」または「復元」を選択
- 工場出荷時状態に戻り、パスコードロックが解除される
(※端末内のデータはすべて消去されます)
【初期化後の再設定・注意点】
- iCloudにバックアップがある場合、AppleIDでログインすればデータの復元が可能
- AppleIDのパスワードが不明な場合、死亡診断書などを提出し、遺族向けの申請手続きが必要
- Appleのセキュリティポリシーにより、パスコードで暗号化された端末内データは遺族でも取り出すことができません
Androidの場合
Androidスマートフォンも、パスワードやパターンが不明な場合は、初期化によるロック解除が基本の対応です。Googleが公式に案内する方法には、遠隔操作と物理操作の2つのパターンがあります。
【初期化の手順(パスコードが不明な場合)】
故人のGoogleアカウントにログインできる場合の手順は以下の通りです。
- 他のスマホやPCから「Googleデバイスを探す」にアクセス
- 該当端末を選択し、「デバイスを消去」を実行
- 遠隔操作で初期化が行われ、ロックが解除される(※データは全消去)
Googleアカウントが使えない場合は以下の手順で進めます。
- スマホ本体のボタン操作でリカバリーモードを起動
- 「データ消去」または「工場出荷状態にリセット」を選択
- 初期化によりロックは解除されるが、端末内のデータも消去される
【初期化後の再設定・注意点】
- 初期化後の設定時に、元のGoogleアカウントでのログインが求められる(FRPロック)
- Googleアカウントの情報がわからない場合、メーカーサポートに相談が必要
- 死亡診断書などの証明書類があれば、初期化後の解除に対応してもらえることもある
- AndroidもiPhone同様、初期化で端末内のデータは消去されるが、Googleアカウントに自動バックアップされていれば復元可能な場合がある
生前に共有されていた情報がある場合
故人が生前に、パスコードやAppleID・Googleアカウントの情報を家族に共有していた場合は、解除や再設定がスムーズに行える可能性があります。
以下のようなケースでは、初期化後の再ログインや復元が可能になることがあります。
- AppleIDの情報があれば、iPhone初期化後にiCloudからデータを復元できる
- Googleアカウントのログイン情報があれば、Androidの「デバイスを探す」機能で遠隔初期化と再設定が可能
- スマホに家族の指紋や顔情報が登録されていた場合、生体認証によって解除できることもある
一部の情報だけでも共有されていれば、完全なロック状態を回避できるケースがあるため、生前の備えが重要な意味を持ちます。
自力で難しいと感じたら
スマホのロック解除は、操作ミスや情報不足によってかえって状況を悪化させるリスクもあります。不確かなまま操作を繰り返すより、必要に応じて早めに第三者の力を借りることが安全です。
【自力対応時の注意点】
- iPhoneでは、設定によって10回連続のパスコード誤入力でデータが自動消去されることがある
- Androidでも、繰り返しの失敗で一時的に操作が制限される、あるいは旧機種ではデータ消去が発生する可能性がある
- ネット上にある「非公式ソフト」や「解除裏技」は、ウイルス感染やデータ破壊のリスクが高く非推奨
- 少しでも不安がある場合は、専門業者への相談や、メーカーサポートへの問い合わせを検討する
大切なデータを守るためにも、無理をせず慎重かつ確実な方法を選ぶことが大切です。
スマホのロック解除は、操作ミスや情報不足によってかえって状況を悪化させるリスクもあります。
遺品整理の相談所では、デジタル遺品に関する相談にも対応しており、ロック解除を含めた適切な対応方法を専門業者とともに検討できます。


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ロック解除に対応した専門業者に依頼する方法
スマホのロック解除を自力で行うのが難しい場合は、専門業者への依頼も選択肢の一つです。ここでは、対応可能な業者の種類や依頼の流れ、費用の目安について整理します。
- 対応可能な業者の種類とサービス内容
- 依頼の流れと必要な書類
- 費用相場の目安
対応可能な業者の種類とサービス内容
スマホのロック解除やデータ復旧に対応できるのは、主に以下のような専門業者です。
- デジタル遺品専門業者:スマホ・パソコン・クラウドに残された情報の整理を中心に対応
- データ復旧・修理業者:ストレージ解析、破損端末対応など、物理トラブルにも対応可能
- フォレンジック(データ解析)業者:パスワード解析やストレージ直接抽出など、高度な技術を用いて対応
どの業者も機種やOSのセキュリティレベルにより対応可否が異なるため、事前相談が不可欠です。
依頼の流れと必要な書類
業者に依頼する場合、基本的な流れは以下の通りです。
作業の進捗状況は途中で報告されることもあり、安心して依頼を継続できます。
以下は、必要な書類の一例です。
- 死亡診断書または死亡証明書
- 故人との関係を示す戸籍謄本
- 依頼者の本人確認書類(免許証など)
- スマホ契約名義の確認資料
- 相続人全員の同意書(委任状)
公式なデータ開示申請(Apple/Google)を行う場合、裁判所が発行する書類が求められるケースもあります。
費用相場の目安
依頼内容や端末の状態により費用は幅がありますが、平均的な目安は以下の通りです。
内容 | 相場 |
---|---|
初期診断 | 無料 |
ロック解除 | 約2万~5万円 |
データ復旧(軽度~重度) | 約3万~25万円 |
出張・緊急対応 | 追加5千円~1.5万円程度 |
技術的に難易度の高い作業となるため、複数社に見積もりを取ることが推奨されます。「どうしても取り戻したい」ケースを除き、費用対効果を慎重に検討して依頼するのが現実的です。
トラブルを避けるために気をつけるポイント
スマホのロック解除は慎重に進めないと、思わぬトラブルを招くことがあります。ここでは、違法・不当な手段に手を出さないための注意点と、安心して依頼できる業者を見極めるポイントを解説します。
- 違法な手段や悪質業者に注意
- 信頼できる専門業者を見極める
違法な手段や悪質業者に注意
違法な手段やリスクの高い方法に注意しましょう。先述の通り、非公式なハッキングツールや裏技に頼るのは非常に危険です。仮にそういった方法で一時的にロックを破れても、法的にグレーゾーンであったり、データを損壊する可能性があります。
また、「確実に解除できる」「絶対安全」と謳うソフトやサービスには警戒が必要です。「スマホのロックは絶対に開けられる」などと断言する業者がいれば、それは疑ってかかるべきです。現状、市販のスマホで完全に解除不可能なケースは存在しうるため、万能な解決策は確認されていません。
信頼できる専門業者を見極める
業者に依頼する際は、トラブルを避けるためにも、対応実績や会社の信頼性を事前に確認しておくことが重要です。特に以下のポイントに注意しましょう。
- 実現不可能なことを謳っていないか:「他社では無理でも必ず開ける」「100%解除保証」など、極端な宣伝には要注意です。
- 実績や法人情報が明示されているか:過去の相談件数や成功事例が掲載されているか、所在地・連絡先・法人格が明確かを確認しましょう。
- 手続き面で不明瞭な点がないか:所有権や相続人の確認を行わずに作業を始めようとする業者は避けるべきです。正規の業者は、必要書類を明確に提示し、法的な質問にも対応してくれます。
- 費用の説明に透明性があるか:見積もり提示がなく、作業後に高額な追加費用を請求する業者は信頼性に欠けます。契約前に料金体系を文書で交わし、気になる点は遠慮なく質問しましょう。
判断に迷った場合は、消費生活センターなどの公的機関に相談するのも一つの方法です。さらに、家族としても「すぐに解除しなければ」という焦りを抑え、慎重な対応が結果的にトラブルを防ぐ近道となります。解除を急ぎすぎて初期化し、取り返しのつかない事態になることは避けたいものです。
生前からできる備え|家族に情報を残す方法
ここまで、故人のスマホのロック解除方法や注意点を見てきましたが、最も理想的なのは生前に備えをしておくことです。本人が亡くなった後に家族が困らないよう、以下のような対策をしておきましょう。
パスワード・アカウント情報の管理
パスワードやアカウント情報は、故人しか把握していないケースも多く、生前の管理と共有が非常に重要です。遺族がアクセスできないままでは、相続や解約の手続きが滞る可能性があります。
【ログイン情報の共有と保管】
主要なID・パスワードを信頼できる家族に伝えておくと、スマホやクラウドへのアクセスが可能になる場合があります。例えば、名刺サイズの紙に書き出し、修正テープなどで隠して保管する方法(通称「スマホのスペアキー」)も活用されています。
【パスワード管理アプリの利用】
日頃から情報をまとめている管理アプリがある場合、アプリにアクセスする方法も家族と共有しておくと安心です。
家族に安心を残す「デジタル終活」
デジタル遺品をめぐるトラブルを避けるには、*生前から整理・備えを行う「デジタル終活」が効果的です。
以下のような取り組みを通じて、家族の負担を軽減できます。
- デジタル資産・契約のリスト化:ネット銀行、クレジットカード、サブスク、SNSなど、利用中のサービス一覧を作成し、ログイン情報とともに家族が確認できる場所に保管する
- エンディングノートの活用:上記の情報を含め、エンディングノートに記録しておけば、万一のときも家族が対応しやすくなる。クラウド対応やデジタル遺品特化型のノートも登場している
- Apple・Googleの死亡時アクセス設定を利用:Appleの「故人アカウント管理連絡先」や、Googleの「アカウント無効化管理ツール」などを事前に設定しておけば、正式な手続きでクラウド内のデータに家族がアクセス可能になる
- 日頃からのコミュニケーション:「このスマホに写真が全部入っているから、もしもの時は頼むね」など、一言だけでも残された家族はずいぶん助かる
このような備えを元気なうちから進めておくことが、家族への思いやりとしてのデジタル終活につながります。国民生活センターも「思い出は残しつつ、トラブルは残さないために」終活の必要性を呼びかけています。
まとめ:故人のスマホのロック解除は慎重かつ適切に
故人のスマホのロック解除は、遺族にとって避けて通れない課題ですが、決して焦らず慎重に対応することが肝心です。各公式の手順でできる限り試み、それでも難しければ信頼できる専門業者の力を借りましょう。
間違っても非合法な手段に頼ったり、闇雲な操作でデータを失うことがないよう注意してください。大切な故人のデジタル遺品だからこそ、適切な方法で取り扱い、そして生前の備えも含めて安心につなげていくことが何より大切です。家族の思い出と財産を守るために、できる対応を一つ一つ丁寧に行っていきましょう。
遺品整理の相談所では、デジタル遺品に関する悩みやスマホのロック解除についても相談でき、状況に応じた専門業者の紹介を受けることが可能です。お気軽にお問合せください。


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