「ゴミ屋敷を手放したいけれど、売却できるの?」
「もし、ゴミ屋敷が売るとしたら、費用はどのくらい必要になる?」
このように不安を抱えている人は多いでしょう。
結論から言えば、ゴミ屋敷の売却は可能です。ただし、ゴミの処分やリフォームが欠かせない場合もあり、一般的な住宅とは売却の手順が異なるので注意しましょう。
この記事では、ゴミ屋敷の売却方法や費用相場、売却までの手順を解説します。
この記事を読んで分かること
- ゴミ屋敷を売却するならトラブルになる前がおすすめの理由
- ゴミ屋敷のまま売却したい場合は、買取業者を選択肢に入れる
- 少しでも高く売却したいときは、3つの方法を検討する
- ゴミ屋敷の売却にかかる費用相場
- ゴミ屋敷の売却がスムーズになる4つの手順
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ゴミ屋敷を売却するならトラブルになる前に
ゴミ屋敷は、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。未然に防ぐためにも、ゴミ屋敷の売却を検討している人は早急な対応がおすすめです。
ゴミ屋敷を放置しておくと、以下のトラブルが懸念されます。
建材の腐食や設備の不具合によって出費がかさむ
ゴミ屋敷は放置されると建材の腐食や設備の不具合が進行しやすく、リフォーム費用が大幅にかかると考えられます。建物内に溜まったゴミが湿気を吸収し、カビやシロアリの発生原因となることが多いため、建物の構造自体が危険な状態になりかねません。
つまり、上記のゴミ屋敷問題に対処し、売却を考えることで大きな出費や安全上のリスクを回避できる可能性が高まります。トラブルが深刻化する前に、適切な対策を検討すべきです。
近隣トラブルの原因となる
ゴミ屋敷は悪臭を放つことが多く、周囲の住環境にも悪影響を与えます。このため、近隣住民からのクレームが頻発し、地域コミュニティとのトラブルに発展することが少なくありません。
また、大量の可燃物が存在するため、タバコの不始末や放火による火事を心配する声も聞かれます。一旦火が出ると、隣接する住宅にも燃え広がるおそれがあり、その被害は甚大です。これらのリスクを避けるためにも、ゴミ屋敷の早期売却は急務といえます。
行政代執行の対象となる可能性がある
ゴミ屋敷が放置され続けると、行政代執行の対象となる可能性があります。行政代執行とは、所有者が自ら改善する意思を示さない場合に、自治体が代わりにゴミ屋敷の清掃や解体を行い、その費用を所有者に請求する制度です。
この手続きを経ると、多額の費用負担が発生し、経済的にも大きな打撃を受けるでしょう。また、行政代執行の実施によって、物件の状態が公に周知され、売却がさらに難しくなるとも考えられます。こうした事態を避けるためにも、早急な対応が必要です。
ゴミ屋敷の状態で売却するなら買取業者を検討
ゴミ屋敷の状態で売却する場合、買取業者を検討するのが賢明です。通常、ゴミ屋敷は足の踏み場がなく、悪臭や害虫の発生が懸念されるため、内見が難しく、仲介による売却は不向きといえます。一般の買い手に対して売却が難しいゴミ屋敷は、直接買取業者に売却しましょう。
不動産の仲介と買取業者の違いを一覧にまとめました。
項目 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
買主 | 一般の個人 | 不動産会社 |
売却期間 | 1か月程度 | 数か月から半年以上 |
売却価格 | 市場価格に近い価格 | 仲介で売却した場合より低い |
契約不適合責任 | 一定期間負う | 免責 |
※契約不適合責任とは、不動産を売買した後に一定期間内に、物件に重大な瑕疵(かし)が見つかった場合に、売主が買主に対して補償しなければならない法的責任
買取業者にゴミ屋敷を売却する利点として、以下が挙げられます。
- ゴミの処分費用を節約できる
- ゴミ屋敷の状態であっても、そのまま引き渡しが可能
- 清掃や片付けの手間を省ける
- 仲介業者のように買い手を探す期間がない
総じて、ゴミ屋敷の売却を考える際には、迅速かつ手間をかけずに売却したい場合は買取業者を選ぶのが良いでしょう。買取業者を利用することで、提示した買取価格に納得さえすれば、ゴミ屋敷の状態でもスムーズに売却が実現します。
ゴミ屋敷を高く売却する3つの方法
ゴミ屋敷を売却する際、できるだけ高値で売りたいと考えるのは当然です。適切な方法を選べれば、ゴミ屋敷でも資産価値を最大限に引き出すことができるでしょう。
ここでは、ゴミ屋敷を高く売却するための3つの方法を解説します。
1.ゴミを撤去してから売却する
ゴミを撤去してから売却すると、ゴミ屋敷の資産価値をある程度回復できます。
ゴミの撤去は自分でできないわけではありませんが、専門業者へ依頼するのが良いかもしれません。ゴミ屋敷になるほどのゴミの量は、自力で処分するのは難易度が高めです。
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2.解体して更地で売却する
戸建てであれば、解体して更地で売却する方法も選択肢のひとつです。これにより早期に売却できる可能性が高まります。買い手にとって更地の方が使い勝手が良いため、売却がスムーズに進むことが期待されるのです。
ただし、更地にすると住宅用地の特例が適用外となり、売れないままだと翌年以降は固定資産税が増額する可能性があります。
主な特例の軽減措置
小規模住宅用地:土地面積200㎡以下に対して課税標準額が1/6(都市計画税が1/3)
一般住宅用地:土地面積200㎡超に対して課税標準額が1/3(都市計画税は2/3)
更地にした場合、最大で6倍の固定資産税になる計算です。ただし、支払額の急激な上昇を抑えるために負担調整措置があり、評価額が70%となります。それでもゴミ屋敷が建っているときの約4倍の固定資産税を払わなければなりません。
再建築不可物件の場合は解体しない
再建築不可物件とは、現在の建築基準法に適合しないため、新たに建物を建てることができない土地や物件のことです。こうした土地は、ゴミ屋敷を解体しても新しい建物を建てられず、解体費用だけがかかってしまいます。そのため、現状のまま売却する方が経済的です。
買い手がリノベーションや用途変更を検討することもあるので、物件の価値を最大限に引き出すためには、解体せずに売る方が得策です。
3.リフォームしてから売却する
ゴミ屋敷のゴミを処分しただけでは、悪臭や家の損傷が残るため、リフォームが欠かせません。ゴミ屋敷をリフォームして売却する場合は、内覧客の印象が良くなり、より高値で売却できる可能性が高まります。
戸建ては更地の選択肢もありますが、マンションの場合はリフォームしてから売却するしか方法はありません。フルリフォームは費用が高額になるため、予算内に収まるよう修繕しない箇所も検討が必要です。ゴミ屋敷をリフォームと解体で迷う場合は、不動産会社に相談してから判断すると良いでしょう。
ゴミ屋敷の売却にかかる費用相場
ここでは、ゴミ屋敷の売却にかかる費用相場を解説します。
ゴミの撤去費用
ゴミ屋敷を売却する際にまず考慮しなければならないのが、ゴミの撤去費用です。ゴミの量や種類、部屋の広さによって、作業にかかる人数や時間が変わってくるので、費用に開きが生じます。
ゴミ屋敷の状況にもよりますが、ゴミ屋敷清掃の専門業者に依頼した場合の費用相場は、以下を参考にしてください。
間取り | 費用目安(税込) |
---|---|
1DK | 50,050円~ |
2DK | 114,400円~ |
2LDK | 134,200円~ |
3DK | 141,900円~ |
3LDK | 184,800円~ |
4LDK以上 | 244,000円~ |
参照:ゴミ屋敷清掃の料金(姉妹サイト 「不用品回収相談所」より)
ゴミ屋敷で作業をしたくない、ゴミの撤去が面倒という人は、ゴミを処分してくれる業者への依頼を検討しましょう。
リフォーム費用
リフォームの対象箇所や範囲によって費用は大きく異なります。例えば、内装のみの修繕で済む場合もあれば、外装も合わせて一新する必要がある場合もあります。また、床面積や使用する材料の種類によっても費用は変動します。
解体費用
ゴミ屋敷の解体費用は、建物の構造や広さ、立地、残地物の量などによって異なります。
また、都市部や交通の便が悪い場所では、解体にかかる費用も変わるのが一般的です。さらに、アスベストや有害物質が含まれている場合は、専門的な処理が必要となり、費用が増加するでしょう。
このように、解体費用はさまざまな要因によって決定されるため、具体的な見積もりを取ることが大切です。
売却する際に発生する費用
ゴミ屋敷を売却する際には、以下のような費用も発生します。
項目 | 概要 | 費用の目安 |
---|---|---|
登記費用 | 売却手続きの一環として、所有権移転登記にかかる費用 | 1万5000円~2万円程度 |
印紙税 | 売買契約書に貼付する印紙にかかる税金 | 1万円~6万円 |
仲介手数料 | 不動産仲介業者に支払う手数料 | 売却価格の5%(税別)~ 売却価格の3%+6万円(税別) |
譲渡所得税 | 売却によって得た利益に対してかかる税金 | 税率39.63%~20.315% |
ゴミ屋敷を高く売却する手順4つ
ゴミ屋敷は以下の4つの手順で売却します。スムーズに売却するためにも、どのような過程を経て売買契約・引渡しまで至るのかを確認しておきましょう。
- 不動産会社に相談
- ゴミ撤去・解体・リフォーム
- 複数社に査定依頼
- 売買契約・引渡し
1.不動産会社に相談
ゴミ屋敷を売却する際には、まず不動産会社に相談しましょう。不動産の売却には専門知識が不可欠であり、適切なアドバイスを受けることでスムーズな売却が可能です。
不動産会社は市場の動向や価格設定、売却方法などについての専門的な知識を持っているため、初めての売却でも安心して進められます。
2.ゴミ撤去・解体・リフォーム
不動産会社と相談して、ゴミ屋敷の状態を改善するためのゴミ撤去や解体、リフォームの必要性を判断しましょう。
これらの作業を実行することで、物件の価値を高め、売却しやすくなります。不動産会社のアドバイスをもとに、どの程度のリフォームが必要かを決定し、このタイミングで実行します。
3.複数社に査定依頼
ゴミ屋敷を適正価格で売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。そうすることで、各社の査定結果を比較し、最も有利な条件で売却できます。
特に、ゴミ屋敷の取引実績が豊富な業者に依頼すれば、より正確な査定が期待でき、売却成功の可能性が高まるでしょう。
4.売買契約・引渡し
売買契約を締結する際には、契約書の内容をしっかりと確認してください。契約後は、決済や登記などの手続きを行い、物件を正式に引き渡します。
契約内容に疑問がある場合は、不動産会社や法律の専門家に相談することで、トラブルを未然に防げるでしょう。これにより、安心してゴミ屋敷を売却することができます。
ゴミ屋敷の売却に関するよくある質問
ここでは、ゴミ屋敷の売却に関するよくある質問に回答します。
Q.ゴミ屋敷の売却に必要な書類には何がありますか?
A.ゴミ屋敷を売却する際には、以下のような書類が必要となります。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 固定資産税納税通知書
- 身分証明書
- 売買契約書
- 物件の図面や間取り図
- 過去のリフォーム履歴
詳細は不動産会社に確認しながら、必要な書類を揃えるとスムーズに進められます。
Q.ゴミ屋敷の売却にはどのくらいの時間がかかりますか?
A.ゴミ屋敷の売却にかかる時間は、ゴミの撤去やリフォームの規模、地域の市場動向などによって異なります。
一般的には、ゴミの撤去に数日から数週間、リフォームに数週間から数か月かかる場合があります。その後、売却活動を開始し、買主が見つかるまでの期間も考慮すると、全体で半年程度を見込んでおくと良いでしょう。
Q.ゴミ屋敷のゴミ撤去にかかる費用を抑えるにはどうすればいいですか?
A.ゴミの撤去費用を安くするなら、できるかぎり事前に片付けておきましょう。
家庭ゴミとして無料で出せるものは、少しずつ処分しておくと全体の量を減らせます。地元のリサイクルセンターや自治体のゴミ収集サービスを活用するのも一つの方法です。
さらに、複数の業者に見積もりを依頼し、比較して最適なサービスを選ぶことで、費用の削減につながります。
まとめ:ゴミ屋敷を売却する際は専門業者に依頼してゴミを撤去するのがおすすめ
ゴミ屋敷を売却する際には、専門業者に依頼してゴミを撤去することをおすすめします。専門業者であれば、短時間で完了する上に、清潔で安全な状態に戻すことが可能です。自力で行う場合、時間と労力がかかるだけでなく、不適切な処理が原因で問題が発生することも否めません。
プロの業者に任せることで、売却に向けた準備がスムーズに進み、物件の価値も向上します。適切な業者を選定し、安心して売却手続きを進めましょう。
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