孤独死の特殊清掃は、一般のハウスクリーニング業者ではなく、専門業者に依頼することが基本です。しかし、一口に特殊清掃といってもその範囲は多岐に渡るため、具体的にどのような作業を行うのかについて、よくご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、孤独死の特殊清掃はどこに頼むべきか、特殊清掃を業者に依頼する場合の流れについて解説しています。
知っていれば、いざという時に「孤独死が起きた部屋の清掃ってどうしたらいいの?」「特殊清掃と遺品整理や故人の供養は一緒に頼めるの?」などと、迷い困惑してしまう心配もありません。
孤独死の清掃にかかる費用や業者に依頼するメリットについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んで分かること
- 孤独死の特殊清掃はどこに頼むべきか
- 孤独死の特殊清掃を業者に依頼する場合の流れ
- 孤独死の清掃にかかる費用
- 孤独死の特殊清掃を業者に依頼するメリット
- 孤独死の特殊清掃を依頼する前に覚えておきたい注意点
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孤独死の特殊清掃はどこに頼むべき?
「特殊清掃」とは、通常の掃除では対応できない部屋を専門的な手法で清掃・消臭・除菌する作業のことを指します。
通常、借りていたあるいは購入した部屋を誰かに明け渡す際には、ハウスクリーニングを行います。
しかし、孤独死があった部屋は、遺体の腐敗によって生じる体液や血液、悪臭、害虫などが部屋全体に広がり、通常のハウスクリーニングでは除去・清掃ができないため、特殊清掃を行う必要があるのです。
特殊清掃のやり方はいくつか存在しますが、一般的には特殊清掃業者に依頼するのがほとんどです。特殊清掃業者には、孤独死の部屋の清掃に関する専門的な知識と技術、そして適切な薬剤や機材が備わっているため、安心して作業を任せることができます。
孤独死の特殊清掃を業者に依頼する場合の流れ
家族や身近な知人が孤独死をしていたことがわかった場合は、特殊清掃業者に室内の清掃を依頼し、部屋を原状回復することが求められます。孤独死の特殊清掃を業者に依頼する場合の流れは、以下の6ステップです。
ここからは、それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。
ステップ1.警察に通報する
孤独死を発見した場合、はじめにやらなければならないのが「警察への通報」です。警察は到着後すぐに、現場検証と死因の特定を行います。
現場検証と死因の特定が終わり、事件性がないと判断されるまでは、清掃業者を含む第三者が現場に入ることはできません。遺体に触れたり、現場内の物を移動したりといった行為も捜査の邪魔になるため、絶対にしないように注意してください。
ステップ2.遺体の引き取り
現場検証や死因の特定が済んだら、警察から死体検案書と遺体を引き取り、葬儀・火葬を行います。
なお、法律上「孤独死における遺体の引き取りは、親族がしなければならない」という決まりがあるわけではありません。そのため、事情によっては遺体の引き取りを拒否することも可能です。遺族が引き取りを希望しない場合でも、自治体が遺体を火葬してくれます。
ステップ3.特殊清掃業者に掃除を依頼する
現場検証が済んだタイミングで行っておきたいのが、特殊清掃業者に見積もりを依頼することです。特殊清掃業者に連絡をする際は、「孤独死現場であること」と「現場の状況の詳細」を伝えることで、その後のやり取りをスムーズに進められます。
なお、見積もりは、一社だけでなく複数の業者に依頼するのが得策です。なぜなら、複数の業者に見積もりを依頼することで、サービス内容や料金を比較検討しやすくなり、自分に最適な業者を見つけやすくなるためです。
ステップ4.清掃・消毒・消臭作業
孤独死現場に散らばった汚染物を除去した後は、床や壁などに残った汚れを丁寧に清掃します。そのなかでは、専用の洗剤や機材を使用し、目に見えない細菌やウイルスを除去するために念入りな清掃が行われます。
また、特殊清掃の工程のひとつに「汚染物清掃」がありますが、目に見えない部分まで清掃を行うためには床板などを剥がす必要があります。この作業は解体業許可を国土交通省から受けていないと行えないため、依頼する業者が解体業許可を得ているかどうかを確認しておくと良いでしょう。
なお、遺体のあった場所や、体液・血液などが付着した寝具・衣類・家具などは、一般廃棄物とは異なる「感染性産業廃棄物」として取り扱われます。
ステップ5.遺品整理
遺品整理は、特殊清掃の途中で実施されることもあれば、清掃終了後に行われることもあります。
遺品整理では、貴重品と処分品を分類し、何を残すかを親族間で相談しながら作業を進めます。ただし、孤独死現場における遺品整理では、死体の腐敗臭が染み付いていることが多いことから、実に80%以上のものが処分品となるのが現実です。
少しでも、故人が大切にしていた遺品を引き取れるようにするためにも、孤独死発見から清掃・遺品整理までをスピーディーに進めることが望ましいと言えるでしょう。
なお、遺品の買い取りも行っている業者なら、遺品のなかから売却できそうなものをそのまま引き取ってもらい、清掃費用に補填することも可能です。
ステップ6.原状回復
孤独死の状況によっては、ここまでで紹介した内容以外にも原状回復作業が必要となる場合があります。代表的な原状回復作業は、主に以下の5つです。
消毒剤による滅菌 | 部屋一面に臭いや汚れが付着している場合には、念入りな清掃・消毒が必要となる。
専用の消毒剤を散布器を使用して噴霧し、消毒を行う。壁面や天井、家財、カーテン、窓といった部分に付着している病原菌を死滅させる。 |
---|---|
水回りの清掃・消毒 | 浴槽死などが発生した場合、目に見えない菌が残っている可能性があるため、徹底的に除菌をする必要がある。最終的に除菌が完了した段階で再度水を張り、公共浴場などの品質管理、安全管理と同じ項目で水質検査を行う。 |
オゾンガスによる除菌・脱臭 | 死臭がひどい場合は、高濃度オゾン発生器を用いて、清掃・消臭を行う。 |
害虫の駆除 | 発生しているウジ虫やハエを、液体薬剤や顆粒タイプの薬剤を用いて殺虫し駆除する。 |
その他内装の修繕 | 床や壁の解体を行った場合、新たな床材の設置や壁の下地処理などを施して、修繕しなければならない。 |
孤独死の清掃にかかる費用
孤独死の清掃にかかる費用は、50,000円~500,000円ほどと言われています。実際に、日本少額短期保険協会が2020年に発表した「第5回孤独死現状レポート」によると、孤独死の平均清掃費用として原状回復費に約381,000円、残置物処理費に約220,000円かかることが分かっています。
ただし、実際に孤独死の特殊清掃にかかる費用は、部屋の広さや状態、作業内容などによって大きく異なります。以下に、間取り・作業内容別の費用相場を一覧表でまとめましたので、ひとつの目安としてご活用ください。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1R・1K | 100,000円~300,000円 |
1LDK・2DK | 200,000円~500,000円 |
2LDK・3DK | 300,000円~700,000円 |
3LDK以上 | 500,000円~1,000,000円以上 |
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
汚染物除去 | 30,000円~200,000円以上 |
害虫駆除 | 20,000円~200,000円以上 |
消毒 | 30,000円~200,000円 |
消臭・脱臭 | 50,000円~300,000円以上 |
床・畳の解体・撤去 | 30,000円~100,000円程度/1ヶ所 |
壁紙・クロスの張り替え | 1,500円~3,000円/㎡ |
遺品整理 | 50,000円~500,000円以上 |
原状回復 | 内容による |
孤独死の特殊清掃を業者に依頼するメリット
孤独死現場の清掃は特殊なものが多く、素人が自力で行うことはほぼ不可能です。精神的に大きな負担を強いられるばかりでなく、誤った掃除方法で行うと感染症や伝染病に罹患するリスクもはらんでいるため、業者に依頼するのがベストだといえます。反対に、孤独死の特殊清掃を業者に依頼するメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
ここからは、それぞれのメリットをひとつずつ紹介します。
精神的な負担を軽減できる
大切な家族や友人が孤独死というかたちで亡くなったという事実は、関係者にとって計り知れない悲しみと精神的な苦痛をもたらします。そのような状況下で、変わり果てた部屋の清掃を関係者自身で行うことは、さらなる精神的な負担となり、二次的なトラウマにつながる可能性も懸念されます。
それもプロの特殊清掃業者は、遺族の心情に配慮しつつ、丁寧かつ迅速な清掃を行うことが可能です。専門の業者にきちんと依頼することで、遺族は悲しみに向き合い、故人を偲ぶための時間を確保できるようになる点もメリットのひとつです。精神的な負担を軽減し、心の整理をするためにも、プロのサポートは非常に重要と言えます。
感染症や二次被害のリスクを回避できる
孤独死の現場は、さまざまな病原体や有害物質で汚染されています。特に、遺体から染み出た体液や血液には、細菌や雑菌のほか、C型肝炎や伝染病の元になるウィルスが含まれている可能性もあり、大変危険です。
プロの特殊清掃業者は、このような感染症や二次被害のリスクを十分に理解し、防護服やマスク、手袋を正しく着用し、徹底した衛生管理のもとで清掃を行います。
また、使用する洗剤や機材も、一般的に市販されているものとは異なり、死臭や腐敗臭を強力に除去するためのプロ仕様のものとなっています。そのため、作業者自身の除染はもちろん、関係者、周辺住民の感染リスクも最小限に抑えることができるのです。
故人を供養してくれる
特殊清掃業者のなかには、故人を供養するサービスを提供している業者もあります。孤独死と聞くと、「故人はたった独りで亡くなったのか…」「誰にも頼れず、寂しく亡くなられたのだな…」と、やりきれない気持ちのまま故人を送り出す方も少なくありません。
しかし、故人の供養に関するサービスを提供している業者であれば、遺品整理から遺体の搬送、葬儀、供養までをトータルで依頼できるため、心残りが残る心配がありません。
故人が安心して旅立てるように、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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孤独死の特殊清掃を依頼する前に覚えておきたい注意点
特殊清掃業者のなかには、曖昧な見積もりを提示して、後から高額な追加料金を請求したり、手抜き工事をしたりする悪徳業者も存在します。このような業者に騙されず、納得のいく特殊清掃を実現するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、プロの視点から失敗しない孤独死現場の清掃業者選びのポイントを、以下の3つの点から紹介します。
遺体が長期間放置されていた場合は清掃費用が高額になる
遺体が長期間放置されると、腐敗によって体液が漏れ出し、周囲に悪臭や汚染物質が拡散します。その結果、フローリングや壁に染み込んだ体液の除去、除菌、消臭作業、汚染された家財の処分など、追加の作業が必要となる場合があります。
さらに夏場や密室などの影響により、腐敗が著しく進み、遺体が溶け出している場合には、遺体や汚染物質を回収するため、専用の容器や梱包材なども必要となります。
そのため、孤独死現場を発見したら、いち早く警察へ連絡し、その後の清掃・原状回復作業に向けて、準備を進めることが非常に重要なのです。
孤独死現場への立会いが必要かどうかを確認しよう
特殊清掃業者のなかには、電話などでのやり取りのみで清掃から原状回復までを依頼できる場合があります。精神的なショックや、遠方に住まいがあり、どうしても現場に駆けつけることができないという場合には、事前に立会いが必須かどうかを確認してみるのもひとつの手です。
ただし、ゴミ屋敷など、現場の状態によっては、立会いが必要になる場合があることを覚えておきましょう。
清掃業者を選ぶ際は複数の業者に相見積もりを取るのが吉
業者に孤独死現場の特殊清掃を依頼する場合は、複数の業者で相見積もりを取って、信頼できる業者へ依頼しましょう。
複数の業者から相見積もりを取ることで特殊清掃にかかる相場をおおまかに理解できるようになります。作業内容だけでなく、清掃にかかる日数や保証内容、アフターサポートなどを総合的に比較検討し、安心して依頼できる業者を見つけましょう。
特殊清掃業者を選ぶ際にチェックしたいポイント
数ある特殊清掃業者のなかから優良業者を選ぶためには、下記の点をチェックするのがおすすめです。依頼した後に後悔しないためにも、ぜひ実践してください。
- 明朗会計であるかどうか
- 孤独死現場の特殊清掃の実績が豊富か
- その他のサービスもワンストップで利用できるか
ここからは、特殊清掃業者を選ぶ際にチェックしたいポイントを紹介します。
1.明朗会計であるかどうか
まずは、見積書の内容が分かりやすく、必要な作業が全て含まれているかを確認しましょう。単に「一式」と記載されている場合、作業後に高額な追加費用を請求されることもあるため、注意が必要です。
- 相場よりも明らかに高すぎる・安すぎる料金設定ではないか
- 見積もり以外に料金が発生しないかどうか
反対に、ホームページに明確な料金体系を明示していたり、見積もりの各項目が詳細に記されている業者であれば安心して依頼できます。見積もりの内容で少しでも気になる点や、不審な点があったら、業者に都度確認して、コストパフォーマンスを総合的に判断しましょう。
2.孤独死現場の特殊清掃の実績が豊富か
孤独死現場の特殊清掃の実績が豊富かどうかもチェックしておきたいポイントのひとつです。過去の施工実績は、業者のホームページまたはSNSなどで確認することが可能です。
依頼する清掃内容と似た実績があるかどうかも含めて、過去の施工実績を確認しましょう。この際、過去の利用者からの評判や口コミも高評価であると、信頼に値する業者だと判断できます。
3.その他のサービスもワンストップで利用できるか
孤独死が発生した際は、特殊清掃だけでなく遺品整理や故人の供養なども行う必要があります。
- 遺品整理
- 故人の供養
一つの業者がこれらのサービスをワンストップで行っていれば、清掃から故人の送り出しにまでにかかる負担を大きく軽減することができます。
まとめ:孤独死の特殊清掃の清掃はプロの業者に依頼しよう!
今回は、孤独死の特殊清掃の依頼先や実際の清掃の流れ、孤独死の特殊清掃を業者に依頼するメリットについてお伝えしました。孤独死を発見した後は、警察への通報や特殊清掃業者への依頼、遺品整理などやらなければならないことが、たくさんあります。
また、精神的なショックも大きく、思うように作業を進められないことも予想されます。
「少しでも孤独死の特殊清掃にかかる負担を軽減したい方」や「はじめての事態でなにから手をつければいいか分からない」という方は、専門の清掃業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼することで、不衛生な環境が解消され、室内を元通り綺麗な状態にすることができます。
ただし、清掃業者の料金やサービス内容は、業者ごとに違うため、複数の業者から相見積もりを取り、料金や作業内容、信頼性などを比較検討することが大切です。
孤独死でかかる費用を少しでも安くするため、また安心して手続きを進めるためには、信頼できる特殊清掃業者を選定することが欠かせません。
まずは、信頼できる業者に見積もりを依頼してみてください。適切な業者選びと準備で、無理のない費用で満足のいくトイレ掃除を実現しましょう。
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