目次

  1. 実家片付け・遺品整理業者探しなら「遺品整理の相談所」
  2. 生前整理でやることは?進め方や開始時期と年代別の失敗しないコツを解説

生前整理でやることは?進め方や開始時期と年代別の失敗しないコツを解説

生前整理でやることは?進め方や開始時期と年代別の失敗しないコツを解説
著者 坂本 貴志

生前整理とは、自分の財産や所有物を整理する作業です。単なる片付けにとどまらず、重要書類や情報の整理のほか相続に関する準備も含まれます。

具体的に何をどのように進めるべきか、開始時期や年代によって異なるポイントが存在するため、生前整理でやるべきことをしっかり把握し、適切な手順に沿って進めることが大切です。

この記事では、生前整理の基本から具体的な進め方や開始時期、年代別の失敗しないコツについて詳しく解説します。

この記事を読んで分かること


  • 生前整理とは、自分の財産を生きているうちに整理すること
  • 生前整理は自分自身や家族に好影響があり、経済的なメリットも享受できる
  • 生前整理には、年代に適した進め方や具体的なやるべきことがある
  • 生前整理を進めるには、4つの手順と失敗しないコツを知ることでスムーズになる

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目次

生前整理とは?

突然の病気や事故で家族に迷惑をかけたくない、自分の意志をしっかりと伝えたいと考える人は多いでしょう。将来直面するかもしれない事態に備えて、今からできるのが生前整理です。

ここでは、生前整理について以下の観点で解説します。

生前整理とは?

生前整理とは自分の財産を生きているうちに整理すること

生前整理とは、自分が生きているうちに自分の財産や所有物を整理し、将来のために準備を整えることを指します。

高齢化問題が深刻化する中、内閣府の統計によると、団塊の世代が75歳以上となる2025年には全人口に占める高齢者人口は3,657万人に達すると見込まれ、2035年には3人に1人が高齢者となる計算です。このような背景から、生前整理の重要性はますます高まっていると考えられます。

親子ともに元気であれば、まだ生前整理をしなくても大丈夫と後回しにされがちです。しかし、親が亡くなった後に家族や相続人が遺品の扱いで衝突するケースは少なくありません。

遺品整理と生前整理の違いを以下で確認しましょう。

生前整理:本人が生きている間に行うため、意向を反映した財産配分が可能になる

遺品整理:亡くなった後に残された物品を整理する作業であり、遺産分配に関する誤解や争いが生じやすい

突然の事態への備え

生前整理は、突然の事態に備える重要な手段です。人生は何が起こるか分からないものであり、事故や病気などで突然の事態が発生することがあります。

銀行口座、生命保険、不動産などの資産が多い場合、それらを明確に整理し、リスト化しておきましょう。さらに、重要な連絡先情報などを整理し、分かりやすい形で残しておくことは、遺族にとって大きな助けとなるはずです。

生前整理を行うと、自分がいなくなった後も家族が安心して生活を続けられる環境を整えることができます。

法的トラブルの防止

生前整理を行うことで、いくつかの法的トラブルを防止できます。

法的トラブルの具体例をまとめたので、参考にしてください。

法的トラブル 内容
遺言の不備による相続争い 遺言書が不明確、無効、または存在しない場合、相続人間で遺産分割に関する争いが発生する可能性がある
遺留分の侵害 特定の相続人に遺産の大部分を残すことで、他の相続人が遺留分(法的に保証された最低限の相続分)を侵害されたと主張する場合がある
税金に関する問題
適切な税務対策が行われていない場合、遺族が高額な相続税を支払う必要が生じ、遺産の一部を売却しなければならない状況に陥る可能性もある
債務の相続 被相続人が未払いの債務を抱えている場合、それを知らない相続人が相続の際にその債務も引き継ぐことになり、経済的な負担を強いられる場合がある
不動産の共有によるトラブル 不動産が複数の相続人に共有される場合、利用方法や管理方法について意見が分かれ、トラブルが発生する可能性がある
手続きの遅延 相続手続きが遅延すると、法的な期限内に必要な手続きを完了できず、相続人に追加の負担や法的トラブルが発生する可能性がある

これらの法的トラブルを防ぐためには事前に弁護士や税理士と相談し、適切な対策を講じましょう。

生前整理がもたらすポジティブな影響

生前整理によって、どのようなメリットが得られるのか考えてみましょう。生前に自分の財産や所有物を整理をしておくことで、自分自身や家族に多くのポジティブな影響をもたらします。

ここでは、生前整理がもたらす以下の影響を解説します。

生前整理がもたらすポジティブな影響

1.自分自身への影響

生前整理がもたらす自分自身への影響は、以下の3つです。

  1. 心の整理がつく
  2. 探し物に費やす時間が減る
  3. 未来に対する不安が軽減される

心の整理がつく

生前整理を通じて自分自身の人生を振り返ることで、過去の思い出や経験を再評価する機会が得られるため、心の整理がつき、余裕が生まれます。結果として、精神的にもリフレッシュし、今後の人生をより前向きに過ごせるようになるでしょう。

探し物に費やす時間が減る

生前整理によって、物の所在が明確になるため、日常生活での探し物に費やす時間が大幅に減少します。どこに何があるのかが一目瞭然となり、必要なものがすぐに見つかるのです。探し物が見つからないストレスが軽減され、時間を有効に活用できるでしょう。

未来に対する不安が軽減される

生前整理を行うことで、自分の財産や重要書類が整理され、将来の不確実性に対する不安が軽減されます。重要な決定事項を事前に考えておけば、急な出来事にも冷静に対応できるでしょう。これにより、安心して未来を迎える準備が整います。

2.家族への影響

生前整理は生きている間に行うからこそ、家族へ好影響がもたらされます。

家族へのポジティブな影響は、以下の通りです。

  • 遺品整理を行う負担を減らせる
  • 相続手続きがスムーズになる
  • 感謝の気持ちを伝えることができる

遺品整理を行う負担を減らせる

生前整理を行うことで、家族が遺品整理に時間と労力を費やす負担を軽減できます。残された家族は物理的な整理に追われることなく、心のケアに集中できるでしょう。

また、心理的なストレスを最小限に抑えられるため、家族が持つべき思い出や感謝の気持ちを大切にしながら、穏やかな気持ちで過ごせます。

相続手続きがスムーズになる

生前整理を行うことで、資産や財産の整理が進んでいるため、相続手続きが円滑に行えます。

不動産や金融資産、貴重品などの所有状況が明確になり、相続人がこれらを把握しやすくなるといった具合です。必要な書類や手続きが事前に整えられるため、相続時の煩雑な手続きをスムーズに進められます。

感謝の気持ちを伝えることができる

生前整理を行う過程で、家族に対する感謝の気持ちやメッセージを伝える機会が増えます。普段はなかなか口に出せない感謝の言葉や思いを、生前整理を通じて自然に伝えることができるのです。

また、思い出の物品を整理しながら、これまでの人生を振り返り、共有することで、家族との絆がさらに深まります。家族にとっても大切な思い出が増え、その後の生活においても心の支えとなるでしょう。

3.経済的な影響

生前整理は、経済的な側面でもポジティブな影響をもたらします。以下で具体的な影響を確認しましょう。

  • 無駄な買い物が減ることで節約につながる
  • 資産の見直しができる
  • 相続対策になる

無駄な買い物が減ることで節約につながる

所有物を整理し、必要な物と不要な物を把握することで、無駄な買い物を減らせます。自分が既に持っている物を再確認できれば、重複した購入を避けることも可能です。そのため、将来的な支出を抑えることができ、家計の節約につながります。

資産の見直しができる

生前整理を通じて、自分自身の資産を再評価し、効率的な資産運用や管理が可能になります。資産を有効に活用する方法を見つけたり、不要な資産を売却して現金化できるでしょう。さらに、投資や貯蓄の見直しを通じて、将来の経済的な安定を図ることも可能です。

相続対策になる

生前整理によって所有する財産が明確になるため、贈与税や相続税の算出が容易になります。家族の納税負担が重くならないよう、事前に相続対策を講じておくことが可能です。

例えば、生前贈与や信託の利用など、適切な方法を選択できれば、家族の経済的な負担を軽減できます。税理士など相続の専門家と相談しながら、効果的な相続対策を立てましょう。

生前整理はいつ始めるべき?年代別のポイント

生前整理は、どういったタイミングで始めるべきか迷う人も少なくありません。断捨離やミニマリズムが流行しているように、生前整理は若い世代からでも取り組む価値があります。各年代における生前整理のポイントを押さえることで、無理なく効果的に進めることが可能です。

ここでは、年代別に生前整理を始める際のポイントを以下の観点で解説します。

  • 基本的には思い立った段階で準備できるとよい
  • 40代から始める生前整理
  • 50代から始める生前整理
  • 60代以上から始める生前整理

基本的には思い立った段階で準備できるとよい

生前整理は時間と労力が必要となるため、できるだけ若いうちから準備することが望ましいです。

年代別に生前整理のポイントをまとめたので、参考にしてください。

年代 生前整理のポイント
40代
  • 不要なものを少しずつ処分し、物を減らすことからスタートする
  • 加入している保険や運用している金融資産の見直しを行う
  • 契約や銀行口座などの重要な情報を一元管理する
50代
  • 退職後のライフスタイルを考え、必要な物品や不必要な物品をリストアップする
  • 書類やデジタルデータの整理も進める
  • 子供が使わなくなった部屋や物品を整理し、スペースを有効活用する
60代以上
  • 生活スペースの整理を行い、不要なものを処分する
  • 財産や遺言などの法的な整理も並行して進める
  • 家族に対する最終的な資産分配の意向を明確にする

生前整理を思い立った今こそ、行動に移すべきタイミングといえます。どの年代でも、自分に合ったペースで無理なく進めることが大切です。

40代から始める生前整理

40代は仕事と家庭のバランスを取りながら、生前整理を始めましょう。仕事ではキャリアのピークを迎える一方で、家庭では子育てや親の介護といった責任も増え、忙しい日々が続きます。まだ体力があり、物理的な整理や大規模な断捨離が比較的容易な年代です。

40代から始める生前整理のポイント

  • 家の中の不要なものを少しずつ処分し、物を減らすことからスタートする
  • 加入している保険や運用している金融資産の見直しを行う
  • 契約や銀行口座などの重要な情報を一元管理する

この年代で生前整理を始めると、親の介護が必要になる場合や、子供が成長し独立するときに、整理された状態で家族が引き継ぎやすくなります。自分自身の生活の質も向上し、家族に対する責任を果たすことができるでしょう。

50代から始める生前整理

50代から始める生前整理は、退職後あるいは子供が独立した後の生活を見据えて計画的に進めましょう。

50代から始める生前整理のポイント

  • 退職後のライフスタイルを考え、必要な物品や不必要な物品をリストアップする
  • 書類やデジタルデータの整理も進める
  • 子供が使わなくなった部屋や物品を整理する

不要になった物品を整理し、家のスペースを有効活用することで、住環境が一層快適になります。将来的なダウンサイジング(住まいの縮小)も視野に入れ、今のうちに物品を減らしておくと、引越しや生活の変化にもスムーズに対応できるでしょう。

自分だけでなく、残された家族にとっても負担が少なくなるような整理を心がけることが大切です。

60代以上から始める生前整理

60代以上から始める生前整理は、退職後の生活準備と健康状態を考慮して進めましょう。体力的な問題や健康リスクが高まるため、早めに取り組むことがおすすめです。

60代から始める生前整理のポイント

  • 生活スペースの整理を行い、不要なものを処分する
  • 財産や遺言などの法的な整理も並行して進める
  • 家族に対する最終的な資産分配の意向を明確にする

家族や相続の専門家によるサポートを適宜受けることで、効率的かつ安全に整理を進められます。最終的には、自分自身の生活の質を高め、パートナーや子供に負担をかけないようにすることが目標です。

生前整理のやること5選

生前整理は、これまでの人生を振り返る機会でもあります。生前整理を通じて、過去の経験を見つめ直し、未来に向けて新たな一歩を踏み出す準備を整えましょう。

生前整理のやることは、主に以下の5つです。

  1. 重要書類の整理と保管
  2. 財産目録を作成する
  3. デジタル資産を一覧にして管理する
  4. 不要な物品を処分する
  5. エンディングノートを作成する

1.重要書類の整理と保管

生前整理の第一歩として、遺言書、契約書、保険証書、銀行口座の情報など、重要な書類を整理し、一か所にまとめておきましょう。そうしておくと、残された家族が必要な情報を確認でき、スムーズに手続きを進めることができます。

以下に、整理すべき重要書類のチェックリストを示します。

  • 遺言書
  • 契約書(不動産、賃貸契約、ローン、リースなど)
  • 保険証書(生命保険、医療保険、火災保険など)
  • 銀行口座情報(口座番号・支店名、インターネットバンキングの情報など)
  • 年金関連書類
  • 投資関連書類(証券、株式、投資信託など)
  • 不動産関連書類(登記簿、固定資産税通知書など)
  • 健康保険証
  • パスポートや運転免許証などの身分証明書
  • マイナンバーカード
  • 各種会員証、ポイントカード
  • 医療情報(かかりつけ医、既往歴、薬のリストなど)
  • 家族や親しい友人の連絡先リスト

重要書類は定期的に最新の情報に更新し、必要に応じて見直しましょう。

2.財産目録を作成する

所有する資産価値を明確にするため、財産目録を作成しましょう。財産目録とは、不動産、貴金属、宝飾品、自動車など財産の種類とその価値を一覧に整理した書類です。

財産目録には、プラスの財産だけではなく、マイナスの財産も含めて記載するため、相続方法を検討する際の材料として役立ちます。

以下に、財産目録を作成するためのチェックリストを示します。

【プラスの財産】

  • 預貯金・現金
  • 不動産(所有している土地・建物、権利書や登記簿のコピー)
  • 有価証券(銘柄・保有数、証券会社名、口座番号)
  • 貴金属(所有している金、銀、プラチナなどのリスト、各貴金属の重量と純度)
  • 宝飾品(各宝飾品の評価額、購入時の証明書や鑑定書)
  • 自動車(車種・モデル・年式、現在の市場価値、車検証や保険証書のコピー)

【マイナスの財産】

  • 借入金(住宅ローンの残高、割賦契約の月割賦金、クレジット残債)
  • 未払金(土地・建物の賃貸料、水道光熱費、医療費など)
  • 税金
  • 連帯債務

不動産や有価証券など、評価する時期によって価額が変動するものがあるため、作成日を記載しましょう。

3.デジタル資産を一覧にして管理する

現代社会では、多くの情報や資産がデジタル化されています。具体的には、電子メール、SNSアカウント、オンライン上の金融資産などです。これらのデジタル資産を整理し、一覧にして管理しましょう。

以下に、デジタル資産のチェックリストを示します。

  • メールアカウントのログイン情報
  • SNSアカウントのログイン情報(Facebook、X、Instagram、TikTokなど)
  • オンライン上の金融資産(ネット銀行口座、ネット証券口座、仮想通貨など)
  • サブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信、定期購読サービス)
  • クラウドストレージのログイン情報(Google Drive、Dropbox、iCloudなど)

これらの情報を一冊のノートやデジタルファイルにまとめ、信頼できる家族や友人に所在を伝えておくと、万が一の際にもスムーズに対応できます。

4.不要な物品を処分する

長年使っていない物品や不要な家具、衣類などを処分しましょう。不要な物品を整理することで、生活スペースが広がり、気持ちもスッキリします。

以下に、不要な物品のチェックリストを示します。

  • 衣類:長年着ていない、サイズが合わない、穴やシミがある
  • 家具:使っていない、修理が必要、デザインが古い
  • 電化製品:壊れている、モデルが古い、使わなくなった
  • 書類:古い保証書や領収書、必要のない雑誌やカタログ
  • 使わないおもちゃやゲーム
  • 未使用のギフトやサンプル
  • 期限切れの化粧品や薬

これらをリストに基づいて整理し、適切な処分方法を選びましょう。

処分するときは、以下の方法を検討しましょう。

  • リサイクルショップに売る
  • フリマアプリやネットオークションを利用する
  • 福祉施設などに寄付する
  • 友人や知人に譲る
  • 専門業者に依頼する
  • 自治体の回収サービスを利用する

5.エンディングノートを作成する

エンディングノートとは、自分が亡くなった後に必要となる情報や希望を記しておくツールです。自分の希望する葬儀の形式などを家族に伝えるには有効な手段であり、家族があなたの意志を尊重して行動できるようになります。

エンディングノートを作成する際に、以下の項目と記載例を参考にしてみてください。

項目 記載例
自分の希望する葬儀の形式
  • 葬儀の規模(密葬、家族葬、一般葬)
  • 宗教儀式の有無
  • 葬儀場所や参加者の指定など
財産や遺産の分配についての希望
  • 不動産、貯金、株式などの分配方法
医療や介護に関する希望
  • 延命治療や終末医療の希望
  • 介護施設の選択など
ペットの世話についての指示
  • ペットの引き取り先
  • 食事や散歩など日常の世話
遺された家族へのメッセージ
  • 感謝の言葉
  • 伝えたい思い出
  • 特定の家族への個別メッセージなど

エンディングノートは、遺言書とは異なり、法的に認められた形式や内容の要件を満たしていないため、法的効力はありません。そのため、エンディングノートに記載された内容は、相続や財産分与に関する正式な指示としては扱われないので注意しましょう。

法的効力を持たせたい場合は、弁護士や公証人などの専門家に相談し、正式な遺言書を作成することを検討してください。

参照:エンディングノート|法務省/日本司法書士会連合会

生前整理の手順4つ

生前整理を進めるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。効率よく生前整理を行うには、具体的に何をすべきかを確認しましょう。

ここでは、生前整理の具体的な手順を4つのステップに分けて解説します。

  1. 計画を立てる
  2. 優先順位を決める
  3. 少しずつ実行する
  4. 定期的に見直す

1.計画を立てる

生前整理を始めるにあたって、まず何を整理するかをリストアップし、目標や期限を設定しましょう。整理したい項目を明確にし、それぞれに対してどのような方法で整理するのかを考えます。具体的な整理方法を検討し、全体のスケジュールを立てることが大切です。

また、計画を立てる段階で、必要な道具や整理の手順を確認しておくとスムーズに進められるでしょう。計画を立てることで、整理作業が効率的に進み、目標達成が容易になります。

2.優先順位を決める

計画を立てた後は、リストアップした項目のなかで、どれを優先的に整理するのか決めます。全てを一度に整理するのは難しいため、重要な書類や貴重品などから始めると良いでしょう。

優先順位を決めておくと、限られた時間を有効に使い、最も影響の大きい部分から手を付けることができます。ゆえに、整理作業がスムーズに進行できるのです。

3.少しずつ実行する

一度に全てを片付けようとせず、少しずつ進めることが大切です。日常的に無理のない範囲で実行すれば、整理作業を継続しやすくなります。

小さな目標を設定し、それを達成してモチベーションを維持しましょう。進行状況を確認しながら、少しずつ進めることで無理なく整理が進み、最終的には大きな成果が得られます。

4.定期的に見直す

整理が進んできたら、定期的に見直しを行いましょう。新たに不要な物品が出てきたり、計画の修正が必要になったりする場合があるからです。

以下のポイントに従って、定期的な見直しを実施しましょう。

  • 整理の進捗状況をチェックする
  • 新たに発見された物品や書類を整理リストに追加する
  • 必要に応じて計画を修正を行う

定期的な見直しによって、整理された状態を維持し、不要な物品が溜まってしまうことを防げます。

生前整理で失敗しないコツ

生前整理を始めようと思っても何から手を付けていいのか分からない、物が多すぎて思うように進まない、家族に負担をかけたくないなど、悩みは多岐にわたります。そういった場合は、以下の生前整理で失敗しないコツを確認しましょう。

生前整理で失敗しないコツ

生前整理ノートを活用する

生前整理ノートは、自分の意思や資産、連絡先などをまとめて記録するツールです。

エンディングノートと生前整理ノートの違いについても理解しておきましょう。エンディングノートは「人生の最期」というイメージが強く、家族からすすめられても書くことに抵抗を感じる人が少なくありません。しかし、生前整理ノートは日常の延長として活用できるため、もっと気軽に始めやすいのです。

生前整理ノートには、以下のような特徴があります。

生前整理ノートの種類 特徴
紙媒体のノート
  • ペンとノートがあれば、いつでも始められる
  • 手書きにすることで感情が伝わりやすい
  • デジタル機器に慣れていない人でも使いやすい
  • 紛失や破損のリスクがある
デジタルノート
  • スマホやパソコンで管理できる
  • キーワード検索が可能で、必要な情報が見つかりやすい
  • データのバックアップが容易に取れる
  • 個人情報を保存するため、セキュリティ対策が必要
カスタマイズ可能なノート
  • 必要な情報に合わせて、項目を追加・変更できる
  • 紙媒体とデジタルの両方があるため、自分に合った形式を選べる
  • 情報が多い場合、きちんと整理しておかないと混乱する可能性がある

生前整理ノートは一度作成して終わりではなく、時間をかけてじっくり作成し、定期的に内容を更新しましょう。常に最新の情報を家族に提供でき、生前整理で失敗することを防げます。

整理をサポートしてくれる専門業者に依頼する

生前整理が思うように進まない場合、専門業者のサポートを受けるのは有力な選択肢です。物品が多すぎて手が付けられない場合や、整理方法に悩んでいる場合、専門業者に依頼すると効率的に作業を進められます。

整理をサポートしてくれる専門業者を選ぶ際に、以下のポイントを確認しましょう。

  1. 実績と信頼性:整理に関する実績が豊富で信頼できる業者を選ぶことが大切です。SNSや口コミサイトで評判をチェックし、安心して任せられる業者を探しましょう。
  2. サービス内容:提供されるサービス内容を確認し、自分のニーズに合ったプランを選びましょう。生前整理や遺品整理のほかに、買取サービスなども含まれているか確認すると良いでしょう。
  3. 料金体系:料金体系が明確で、追加料金が発生しないか事前に確認することが大切です。見積もりを複数の業者から取り、比較することをおすすめします。

整理をサポートしてくれる専門業者の力を借りることで、生前整理をより確実に進めることができるでしょう。

遺品整理の相談所では、当社がおすすめする優良な業者が加盟しており、予算にあった業者をご提案します。お困りの際は、ぜひお問い合わせください。

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生前整理に関するよくある質問

生前整理に関するよくある質問に回答します。

Q.生前贈与はどのように行うべきですか?

A.生前贈与は、贈与税や相続税の課税対象となるため、計画的に行いましょう。

生前贈与には贈与税が課されますが、非課税枠を利用すれば課税されることなく財産を子供や孫に渡すことが可能です。

相続発生前3年以内の贈与は相続税の課税対象となるため、早めに贈与を開始することで節税できます。また、生前贈与を行う際は、「贈与契約書」を作成しましょう。贈与の事実を証明するために必要です。

生前対策で用いられる贈与税の制度には、以下のようなものがあります。

  • 暦年課税制度:年間110万円以下の贈与は贈与税が非課税
  • 相続時精算課税制度:累計2,500万円まで非課税
  • 教育資金の贈与税の非課税制度:1,500万円まで非課税
  • 結婚・子育て資金の贈与税の非課税制度:1,000万円まで非課税

生前贈与については、税理士や弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。専門家であれば、最新の法令や税制に基づいたアドバイスを提供してくれるため、安全かつ確実に生前贈与を行えます。

Q.生前整理を行う際に注意すべき点は何ですか?

A.生前整理を進める際には、以下の点に注意してください。

  1. 無理をしない:全てを一度に片付けようとせず、少しずつ進めることで身体的・心理的な負担を軽減しましょう。
  2. 家族と相談する:自分の意思を伝え、理解を得ておくと、円滑に進めることができます。
  3. 個人情報の管理:処分する書類や物品の中には個人情報が含まれる場合があるため、適切に処分する必要があります。個人情報が漏れないように注意しましょう。
  4. 必要な書類の整理:重要な書類(遺言書、保険証書、銀行通帳など)はしっかりと整理し、家族が分かりやすい場所に保管しましょう。

生前整理は、自分自身だけでなく、家族のためにもなる重要な作業です。上記の注意点を守って、安心して生活を送るための一助としてください。

Q.生前整理を手伝ってくれる専門家はいますか?

A.生前整理をサポートしてくれる専門家は存在します。

生前整理に対応している業者:生前整理業者や遺品整理業者は、専門知識と経験を持ち、物品の整理や処分を行う専業者です。物品の量が多い場合や、整理が難しい場合に役立ちます。

弁護士:遺言書の作成や財産の分配、相続に関する法的なアドバイスを提供します。

税理士:財産の整理や相続に関するアドバイスを提供します。贈与税や相続税の申告が必要な場合に相談しましょう。

ファイナンシャルプランナー:資産管理や老後の生活設計に関するアドバイスを提供します。財産の効率的な運用方法を考える際に役立ちます。

上記の専門家は、生前整理の法的・実務的なアドバイスを受けられるため、将来的なトラブルを避けることができます。

まとめ:生前整理は早めに開始して自分のペースで進めよう

まとめ:生前整理は早めに開始して自分のペースで進めよう
生前整理は、自分の財産や物品を生前に整理しておくことで、突然の事態に備えるだけでなく、法的トラブルを防ぎ、心の整理や家族への負担軽減、経済的な節約といった多くのポジティブな影響をもたらします。

基本的には思い立った段階で生前整理の準備ができれば良いですが、40代から60代以上の各年代において、それぞれのライフステージに応じたポイントを意識してください。生前整理を行う際は4つの手順に沿って、失敗しないコツを実践しましょう。

早めに生前整理を開始し、自分のペースで計画的に進めることで、将来に対する安心感を得られるでしょう。

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著者情報

坂本貴志

坂本 貴志

遺品整理の相談所 代表

遺品整理の相談所の代表を務め、廃棄物業界に15年従事しており、遺品整理、生前整理、ゴミ屋敷片付けなどの各種サービスのエキスパート。姉妹サイトでは、一般廃棄物収集運搬業の許可業者のみを紹介する不用品回収のマッチングサイト「不用品回収相談所」を全国展開し、 業界の健全化をビジョンに掲げて事業を運営している。豊富な経験により、個人でも一般廃棄物実務管理者、遺品整理士などの専門資格も取得しており、業界団体の講師や廃棄物業者へのコンサルティングなども務めている。

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