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生活保護受給者の親が亡くなったら?相続手続きや費用と遺品整理のポイントを徹底解説

生活保護受給者の親が亡くなったら?相続手続きや費用と遺品整理のポイントを徹底解説
著者 坂本 貴志

親が亡くなった後には、故人が生前使用していたものを整理する必要があります。しかし、遺品整理はやらなければならないことが多く、何から手をつければいいか迷ってしまいがちです。特に亡くなった親が生活保護を受けていた場合は、手続きの方法も通常と異なる部分があり、戸惑うこともあるでしょう。

そのような悩みを解消するべく、当記事では親が生活保護受給者の場合の相続手続きや整理のポイントについて紹介しています。遺品整理費用を安く抑える方法についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読んで分かること


  • 生活保護受給者ならではの遺品整理の注意点
  • 生活保護を受けていた親が死んだらすることは?
  • 遺品整理をスムーズに進める3つのステップ
  • 遺品整理費用を安く抑える4つのポイント

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生活保護受給者ならではの遺品整理の注意点

亡くなった人が生活保護を受給していた場合、通常の遺品整理と違っていくつかの点に注意する必要があります。まずは、生活保護受給者ならではの遺品整理の注意点について紹介します。

生活保護受給者ならではの遺品整理の注意点

遺品整理義務は基本的に相続人にある

親が亡くなった場合の相続人は、原則として「被相続人の配偶者と子ども」と決められており、配偶者がいない場合は「子ども」が相続人にあたります。また、遺品整理をするのは相続人(親族もしくは遺言で相続者になった人)、もしくは物件の所有者です。しかし、一般的には物件の所有者でなく、相続人に遺品整理義務があると考えられており、実際にほとんどのケースで相続人が遺品整理を行っています。

たとえ、亡くなった親が生活保護を受給していたとしても、相続手続きは必ず行う必要があります。ただし、事情によってはやむをえず被相続人の孫や父母、兄弟姉妹も相続人となることがあり、単純な話では済まない可能性も考えられます。

相続人が遺品整理をしたくない場合は相続放棄も可能

相続人が遺品整理をしたくない場合は、相続放棄という手段があります。相続放棄とは、その名の通り相続予定の財産の全てを放棄することです。相続放棄を希望する場合は「相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」に家庭裁判所で手続きをします。特に亡くなった親が生活保護を受給していた場合、「借金などの負債を相続せずに済む」「ほかの相続人に伝えることなく自分一人で手続きできる」といったメリットから、相続放棄を選ぶ方も少なくありません。しかし、相続放棄は原則として撤回することはできず、独断で進めてしまうと財産の処理を待つ利益関係者に、不測の損害を与えてしまうことも考えられます。また、空き家など相続する財産によっては管理義務が残る可能性がある点にも注意が必要です。

相続放棄が認められないケースもある

相続放棄は、申請すれば必ず承認されるというわけではなく、なかには家庭裁判所から認められないケースも存在します。相続放棄が認められない可能性のあるケースには、次のようなものが挙げられます。

  • 相続財産の使い込みや譲渡、隠匿、消費などを行った場合
  • 遺産分割協議に参加して、協議書に印鑑を押した場合
  • 法定単純承認が成立した場合
  • 熟慮期間が経過している場合
  • 必要な書類が不足している場合
  • 未成年者や認知症などの判断能力が低下した人が相続放棄を申し立てた場合

相続放棄が認められなかった場合でも、2週間以内であれば家庭裁判所に「即時抗告」をすることができます。ただし、即時抗告を行うには、不受理決定を覆すだけの根拠を示す必要があり、根拠がない場合は再度却下される可能性が高いものです。そのため、相続放棄でわからないことがあった場合には、一度専門家に相談することをおすすめします。

公的機関からのレンタル品は返却しなければならない

遺品のなかに公的機関からのレンタル品が含まれている場合は、すみやかに返却することが求められます。故人が公的機関から借りていたものを誤って処分してしまうと、損害金を支払わなければならないため、くれぐれもご注意ください。なお、生活保護受給者の方が公的機関からレンタルしているものには、以下のようなものが考えられます。

  • ケータイやパソコンなどのデジタル機器
  • 生活家電・家具
  • 福祉用具

生活保護を受けていた親が死んだらすることは?

生活保護を受けていた親が死んだらするべきことは、主に「死亡届の提出」「生活保護の変更手続き」「葬儀の手配」「金融機関と保険の確認」の4つです。それぞれのステップを正しく理解し、各種手続きや葬儀の手配を進めましょう。

死亡届の提出

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡者の死亡地、本籍地、届出人の住所地のいずれかの市区町村役場に提出する必要があります。死亡届の提出に必要なものは、以下の通りです。

  • 死亡診断書または死体検案書
  • 死亡届出書(市区町村の戸籍届出窓口で入手可能)
  • 届出人の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

死亡届の提出義務者は、死亡した人の親族、同居者、家主、地主、後見人などです。ただし、亡くなった方と同居していない親族や後見人、保佐人、補助人なども、その資格を証明する登記事項証明書などの謄本を添付することで届出をすることができます。

葬儀の手配

親が生活保護受給者の場合は、葬儀費用の工面が大きな負担となりがちです。相続人間で話し合って、葬儀費用の捻出方法や負担割合を早めに検討するようにしましょう。また、どうしても葬儀費用が捻出できない場合は、行政の「葬祭扶助」という支援制度を活用することも可能です。

金融機関と保険の確認

故人が加入していた銀行と保険会社に連絡して、所定の手続きを進めることも忘れてはなりません。役所に死亡届を提出すると、自動的に口座は凍結されるため、相続手続きが完了するまでは預金の引き出しはできません。また、保険については法定相続人や遺言執行人などであれば、照会対象者の生命保険契約の存在が分からずとも、保険加入状況を照会できます。

遺品整理をスムーズに進める3つのステップ

遺品整理をスムーズに進めるためには、以下の3つのステップの沿って進めることが重要です。ここでは、それぞれのステップの注意点についてお伝えします。

  • 遺言書やエンディングノートがあるかを確認する
  • 遺品の洗い出し・整理
  • 専門家に相談する

1.遺言書やエンディングノートがあるかを確認する

まずは、遺言書やエンディングノートがあるかを確認します。遺言書やエンディングノートには、故人の意思が記されている場合があり、遺品の処分方法や分配方法が指定されていることがあります。家の中や預け先に心当たりがないか探してみましょう。また、1989年以降に公証役場で作成された遺言書は、全国の公証役場で利用できる「遺言検索システム」で確認することも可能です。

2.遺品の洗い出し・整理

続いて、遺品の洗い出し・整理をします。遺品整理を進める際は、「貴重品(デジタル遺品)」「思い出として残しておく物」「リサイクルや譲渡ができる物」「処分する物」の4つに仕分けをすると、その後の作業が捗ります。リサイクルできるものは、リサイクルショップなどに持ち込んでもいいですし、支援団体などに寄付するのも良いかもしれません。

このとき、処分するか迷うものを無理に捨てる必要はありません。ひとまず残しておいて、心の整理がついてから冷静に判断するのもひとつの手です。また、処分したからといって故人との思い出がなくなるわけではないので、遺品を手放すことに過度な罪悪感を持つ必要はありません。

遺品整理の相談所では、当社がおすすめする優良な業者が加盟しており、希望にあった業者をご提案します。お困りの際は、ぜひお問い合わせください。

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3.専門家に相談する

遺品のなかに相続するものがある場合は、専門家に相談するのがおすすめです。なぜなら、専門家に相談することで、後々相続人同士で揉めごとになるリスクを抑制できるためです。

特に「遺品の分配方法に関する意見の相違」や「整理の手順や方法、時期についての認識の違い」といった問題は、相続人間でしっかりと協議できていないとトラブルを招きかねません。不測の事態に備えて、手続きは慎重に行いましょう。

専門家に相談する

遺品整理費用を安く抑える4つのポイント

ここまで、遺品整理の注意点や遺品整理をスムーズに進めるステップについて見てきました。それでは遺品整理の費用を安く抑えるためには、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。

ここからは、遺品整理費用を安く抑える4つのポイントについて紹介します。

  • できることは自分で行う
  • 買取サービスを利用する
  • 複数の業者に相見積もりを取る
  • 生前整理を検討する

できることは自分で行う

遺品整理の依頼費用を安くしたいのであれば、できる限り自分たちで行うのがおすすめです。例えば、ゴミ類などを自治体のルールに従ってまとめておくだけでも、遺品整理の費用を節約することができます。プロに全てを任せると自分たちの負担を軽減できる反面、コストがかさんでしまうため、自分たちにできることは積極的に行うことがポイントです。

買取サービスを利用する

遺品の買取が可能なのは、主に「遺品整理業者」「リサイクルショップ」「フリマアプリ」の3つです。ここでは、それぞれの業者のメリット・デメリットを一覧形式にまとめました。

買取サービスを利用する

複数の業者に相見積もりを取る

複数の業者に相見積もりを依頼することも効果的です。複数の業者に相見積もりを取ることで、遺品整理にかかる費用を大まかに把握することができ、適正な金額で依頼できるようになります。サービスの価格が妥当なのかを判断する有効な指標となるので、ホームページなどで好感を持った2〜3社に見積もりを依頼してみましょう。

生前整理を検討する

生前整理とは、元気なうちにあらかじめ自分で処分するものや残すものを決めて整理することを言います。生前整理をすることで、相続問題のトラブルを回避できるほか、自分の価値観を反映させた終活ができるといったメリットがあります。家族が元気なうちに、一度生前整理についてじっくり話し合ってみるのもいいかもしれませんね。

まとめ:生活保護の親が死んでしまったら遺品整理の業者に依頼するのもひとつの手

今回は、生活保護受給者の相続手続きや費用、整理のポイントについて説明しました。亡くなった人が生活保護を受給していた場合は、今一度遺品整理義務について相続人間で確認する必要があり、場合によっては早めに相続放棄を行うことが重要です。

生活保護受給者の親が亡くなった場合は、通常の遺品整理と比べて手続きが煩雑になりやすいものです。そのため、少しでも分からないことがあった場合には、専門家に相談して、適切な指示を仰ぎましょう。遺品整理業者であれば、遺品の整理・処分から相談までを一気通貫で行ってくれるため、遺品整理にかかる負担や時間を大きく軽減することが可能です。

まとめ:生活保護の親が死んでしまったら遺品整理の業者に依頼するのもひとつの手

亡くなった人の部屋の片付けを依頼できる業者は、空き家片付け業者や不用品回収業者などもありますが、亡くなったご本人と家族の思いを組みながらスピーディーに片付けを行うためには、遺品整理のプロである遺品整理業者への依頼がおすすめです。とはいえ、遺品整理業者へ依頼する機会は多いものではないため、業者選びをどこへ相談したら良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。

まずは、信頼できる遺品整理業者に見積もりを依頼してみてください。適切な業者選びと準備で、無理のない費用で満足のいく遺品整理を実現しましょう。

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著者情報

坂本貴志

坂本 貴志

遺品整理の相談所 代表

遺品整理の相談所の代表を務め、廃棄物業界に15年従事しており、遺品整理、生前整理、ゴミ屋敷片付けなどの各種サービスのエキスパート。姉妹サイトでは、一般廃棄物収集運搬業の許可業者のみを紹介する不用品回収のマッチングサイト「不用品回収相談所」を全国展開し、 業界の健全化をビジョンに掲げて事業を運営している。豊富な経験により、個人でも一般廃棄物実務管理者、遺品整理士などの専門資格も取得しており、業界団体の講師や廃棄物業者へのコンサルティングなども務めている。

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