遺品整理費用は誰が払う?負担に関する法律や実例を解説

遺品整理費用は誰が払う?負担に関する法律や実例を解説
著者 坂本 貴志

「遺品整理って高くつきそうだけど一体どれくらいかかるの?」
「相続人が複数人いて、誰が払えばいいのかわからない」
「相続放棄すれば払わなくていいの?」

このようなお悩みを抱えていませんか?

遺品整理は依頼したいけど、高額な費用の負担がのしかかってくるのが不安という方もいますよね。相続人が複数いると、さらに話は複雑になってきます。

そこで本記事では、遺品整理の費用の支払い方から業者に依頼する場合の相場相場、さらには遺品整理の必要性までを詳しく解説します。

遺品整理の方向性を理解し、費用の準備を考えておくことで大切な人の思い出を丁寧に整理する方法が分かるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読んで分かること


  • 遺品整理の費用を負担する人と費用を抑えるコツ
  • 業者に遺品整理を依頼した場合の相場
  • 複数の相続人がいた場合の負担割合
  • 遺品整理の必要性と相続放棄ができるかどうか

遺品整理の相談所は、お客様のニーズに最適な専門業者をご紹介するサービスです。

お見積もりは無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

遺品整理費用は相続人が支払う

遺産を相続するにあたって、不用な遺品などを整理しなければならないことがあります。

<遺産と遺品の違い>

名称 特徴
遺品 故人が遺した物品のこと。
遺産 故人が遺した財産すべてのこと。不動産や証券などの権利も含み、プラスの遺産だけでなく借金や債権などのマイナスの遺産もある。

遺品整理とは、故人の物品を片付け、売り払ったり処分したりすることです。

場合によっては権利などの整理も遺品整理として扱う場合もありますが、本記事では主に故人の物品の整理を遺品整理として解説していきます。

遺品整理は単純な物品の整理や片付けだけでなく、故人との思い出を整理したり価値ある物を適切に配分するなど、重要な意味ももっています。

この遺品整理にはさまざまな費用が発生しますが、その費用は基本的に遺産相続人が支払うと法的に定められています。

遺品整理費用は相続人が支払う

上記について、より詳しく確認していきましょう。

複数の相続人がいる場合は全員が負担する

遺産相続人は、場合によっては複数人が存在する場合があります。基本的に、それらの遺産相続人全員が遺品整理費用を負担するとされています。

配偶者や子・兄弟などの血縁者が相続人になるケースが多く、子が死亡している場合でも孫がいれば「代襲相続人」となり、相続権が生じます。

実際には、かかった費用を相続人全員で頭割りするわけでなく、話し合って誰か代表者を決めるか、相続する遺品や権利の金額の大小で傾斜をつけて支払われることが多いようです。

法定相続人と遺言による相続人がいる場合がある

遺産の相続人は故人の意志で決められることが多く、基本的には遺言書で示された人が相続人になるケースが多いでしょう。

ただし、民法で定められた法定相続人が存在する場合もあります。法定相続人は血縁などによって決められており、順位が高い人が居ればその人が法定相続人となり、それ以降の後順の人は法定相続人になれません。

配偶者は必ず法定相続人になり、次いで子(子が死亡している場合は孫)、両親(両親が死亡している場合は祖父母)、兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合はその子)の順で権利が発生します。

例え遺言の内容が法定相続人に相続されないように記されていたとしても、法定相続人が権利を主張すれば「遺留分」とされる一定の遺産相続が確保されます。

たとえば、遺言書に「遺産はすべて寄付する」とされていたとしても、配偶者や子などの法定相続人は決められた分の遺産を相続できるのです。

遺言によるものであれ法定相続であれ、いずれにせよ遺産相続をした場合は遺品整理費用を支払う義務が生じることを覚えておきましょう。

相続放棄を行えば遺品整理費用を支払わなくてよい

あまりにも遺品が多くその整理が大変だったり、かかる費用のほうが得られる物よりも多く、遺品整理をどうしてもしたくない場合や、金額的にできない場合もあるでしょう。

そのようなときは、家庭裁判所に相続権を放棄することを申請すれば「相続放棄」ができます。相続放棄とは、前述の法定相続人である場合でも、文字通り遺産の相続を放棄することができる制度です。

相続放棄をしたのであれば、当然相続人ではなくなるため、遺品整理費用を支払う義務も生じません。民法第921条では、「相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき、単純承認をしたものとみなす」と示されています。

すなわち、相続放棄をすれば「遺品整理費用を支払わなくてよい」というよりも、「遺品整理そのものができなくなる」という理解が正しいでしょう。

なお、遺品整理を始めてしまうと相続放棄できなくなるため注意が必要です。

具体的に遺品整理費用はどの程度かかるのか?

遺品整理費用を支払うのは、その遺品を含む遺産を相続した全員です。では、実際に遺品整理費用はどの程度かかるのでしょうか。また、どの程度の費用がかかるのが適正なのでしょうか。

具体的に遺品整理費用はどの程度かかるのか?

実例を含めて、上記について確認しておきましょう。

遺品整理は整理業者に依頼するのが一般的

遺産相続人には、遺品整理を行う義務が生じます。急いで整理したり早急に片付けたりしなければならないというわけでないなら、自分たちの手で整理することもできますし、業者に依頼することも可能です。

<自分たちで遺品整理をする際のメリットとデメリット>

メリット デメリット
  • 故人との思い出に浸ったり、思わぬ一面を知って哀悼できる
  • 遺品整理が終わったタイミングで、お別れの一つの区切りになる
  • 自分ですべての遺品を確認できるので、納得感がある
  • 片付け作業のプロではないため、時間がかかってしまう
  • 故人の家が遠方だと、出向くのが難しく交通費がかさんでしまう
  • 賃貸の返却期限が迫っていたり、土地の権利者から催促されている場合は、悠長に整理していられない
  • 遺品売買に関して知見がないため、本当に適正な値段で取引できているか・疑問が残る

葬式代や遺品整理費用がかかるため、価値ある物を早急かつ適正に処分して少しでも負担を軽くしたいなど、ほかにもさまざまな理由ですぐに遺品整理をしなければならない場面が訪れます。

また、素人ではどのように処分したらいいか分からない物があったり、体力的にも厳しく独力では処分できないという場合もあるでしょう。そのため、遺品整理のうちいくつかの作業は専門の業者に依頼するのが一般的です。

遺品整理にかかる費用は概ね3パターン

遺品整理のために必要となる費用は概ね以下の3パターンです。

  1. 遺品を回収、処分する費用や遺品を売った場合の手数料
  2. 不動産の売却にかかる手数料や解体費用
  3. 場所までの交通費や飲食費

整理業者に依頼する場合は上記の費用について、それぞれ人件費がプラスされます。自分たちで整理しようとする場合、これらの作業の人件費が不要となるため、一見安上がりに感じるかもしれません。

ですが、ノウハウがない人が日常生活の仕事や家事などの片手間で整理すると、思わぬ費用がかかってしまうものです。そうすると整理期間が伸びてしまい、結果的に交通費などの出費がかさんでしまいます。

遺品整理費用の実例

実際に遺品整理費用がどのくらいかかるか、気になる方も多いのではないでしょうか。

参考までに、私たち「遺品整理の相談所」に依頼した場合の料金は以下のようになっています。

遺品整理費用の実例

また、参考までに、当サイトの姉妹サイトである「不用品回収相談所」の事例を2件ご紹介します。

【飯石郡飯南町 Y様】賃貸アパート退去に伴う遺品整理の回収事例では、3名の作業で8時間かかり、費用は120,000円でした。

【飯石郡飯南町 Y様】賃貸アパート退去に伴う遺品整理の回収事例

【松江市 B様】一人暮らしに伴う遺品整理の回収事例では、3名の作業で6時間かかり、費用は66,000円でした。

【松江市 B様】一人暮らしに伴う遺品整理の回収事例

なお、遺品整理について以下のようなお悩みを抱えている場合、ぜひ、遺品整理の相談所にご相談ください。

  • どこから遺品整理を着手すればいいかわからない
  • 予算はいくらくらいになるか知りたい
  • 実家が遠方で手がつけられない
  • まずは相談からしたい

遺品整理の相談所では、当社がおすすめする優良な業者が加盟しており、予算にあった業者をご提案します。お困りの際は、ぜひお問い合わせください。

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遺品整理費用を抑える方法

遺品整理にどのような名目の費用が、いくらくらいかかるのかは分かったと思います。

意外とかかってしまう場合もありますし、急な出費でもあるため、できればそれらを抑えたいと思うのが普通の感覚ではないでしょうか。しかし、遺品整理の知見がないとなかなか効率的に片付けられず、かえって費用がかさんでしまいかねません。

遺品整理の費用を抑えるには、以下のようなポイントがあります。

遺品整理費用を抑える方法
どのように遺品整理費用を抑えたらいいのか、ここで考え方やポイントを確認しておきましょう。

自分でできる範囲は自分で整理する

すべての作業を整理業者に頼りきるのではなく、一部は自分たちの手で整理することで、費用を抑えられる可能性があります。

<自分でできる範囲の例>

  • 地域のルールに則ってゴミを分別しておく
  • 出せる分のゴミは家庭ゴミとして出しておく(一般的な家庭ゴミの範囲の物)
  • 処分したい不用品と遺したい遺品を区別しておく
  • 自力で動かせる小型の家具や家電は処分する

ただし、たとえば故人が孤独死で特殊清掃が必要になる場合や、ゴミ屋敷になってしまっているなど、現場が大変になっていることもあるでしょう。そのようなときは無理に自分でやろうとせず、業者に依頼したほうが結果的に安上がりで済むこともあります。

まずは業者に作業見積もりを立ててもらい、その作業のなかで自分たちができそうなものを担当することで、費用の相談をするといいでしょう。

簡単に見えても危険が伴う作業もありますし、そのせいでケガをしてしまっては治療費もかかりますし良いことはありません。何にせよ、一度プロの目を通してからどこまで自分たちができるかを相談するのがおすすめです。

相続財産から遺品整理費用を捻出する

整理業者のなかには、遺品の買取を行っている業者もあります。そういった業者の場合、遺品の買取費用を遺品整理の費用に充てることができるというシステムの業者もいるので、活用しましょう。

<買取価格が比較的高額になりやすい物>

  • 骨董品
  • 美術品
  • ブランド品
  • 宝石
  • 貴金属
  • 腕時計
  • 着物
  • お酒
  • ヴィンテージ玩具
  • 本(稀覯本)

骨董品にせよ思わぬ高額になる品物にせよ、なかなか素人目には判断がつかなかったり、そもそも販売ルートをどうすればいいかも分からないことが多いでしょう。そのため、適正な価格で買い取ってもらうという意味でも業者に相続品の整理までお願いするのは効果的です。

ただしこの場合は遺産を相続した(遺品を売って資金を得た)という扱いになるため、相続放棄できなくなる点には注意してください。

負債が多い場合は相続放棄も視野に入れる

故人の遺産を相続すること自体は、義務ではなく権利です。一方で、民法940条には遺産の財産管理を行うことは相続人の義務であることが示されています。

遺産全体を考えたとき、得られるものより負債のほうが大きいと判断したら相続放棄をすることで遺品整理費用の支払い義務はなくなります。故人が亡くなってから、またはそのことが発覚してから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し込むことで相続放棄が可能です。

自分よりも順位が優先される相続人が全員相続放棄を行って、気づいたら自分が相続人になっていたという場合は、そのことが発覚してからの3ヶ月以内で問題ありません。また、一部の価値がありそうな骨董品や不動産だけは相続して、借金や債権などは相続しない、といったことは基本的にはできません。

遺品整理費用の支払いに関するよくある質問

ここでは、遺品整理費用の支払いに関してよくある質問をまとめてお伝えします。

遺品分配や遺産相続では、相続人が複数いる場合に親族間の揉め事に発展してしまうことも多々あります。細かい内容にはなりますが、ここで以下について確認しておきましょう。

Q.相続放棄できない場合はありますか?

A.あります。

  1. 故人の賃貸借契約や借金の連帯保証人だった場合
  2. 相続放棄するものに不動産が含まれている場合

借金などのマイナスの遺産が多い場合、相続放棄してしまえば支払う権利はありません。ですが故人の借金の連帯保証人だった場合は支払う義務が生じます。

賃貸借契約の保証人になっていた場合、その賃貸を借りたときと同じきれいな状態にして返却する義務があるため、遺品整理を行わなければなりません。

また、2の場合は民法940条1項に定められています。相続放棄することで不動産を含めた遺品の整理や管理の義務はなくなります。しかし相続放棄するということは、次の相続人が相続人になるということを意味しています。

相続放棄をしても次の相続人に引き継ぐまでは、土地や建物などの不動産の管理責任が伴うのです。

Q.相続人が複数いる場合の遺品整理費用はどのように割りますか?

A.遺産の分配が必要になると判明した時点で、相続人や相続を受け取る可能性がある全員が参加する会議を開き、合意することをおすすめします。

法的には、相続人が遺品整理費用を支払うと決められているのみで、頭割りでなくても問題ありません。また、誰か一人に遺産を集中させたほうが都合がいいなら、それ以外の人に相続放棄をしてもらうなどもできます。

例)夫が亡くなり、戸建て住宅と土地とその他の物品が遺産として残った。

遺品整理費用を同居していた子(長男)が負担する代わりに、戸建て住宅と土地は子(長男)が、その他の物品は子(次男)が相続した。

戸建て住宅と土地の権利は分散しないほうが都合がいいため、遺産を一人が相続できるように妻(故人の配偶者)は相続放棄して子(長男)に戸建て住宅と土地の権利を集中させた。

上記の例の場合、子(長男)がより多くを相続することになるため、遺品整理費用の大部分を捻出することになるでしょう。また、子(次男)も物品を相続しているため、自分が相続した分を売り払ったりする際の仲介費用は、自分で支払うのが普通です。

Q.遺品整理費用を安くできる業者はどのように探せばいいですか?

A.以下のような方法で探すことが可能です。

  1. 複数社で見積もりをとる
  2. 不用品回収の市町村の許可を得た業者を選ぶ
  3. 遺品整理士が在籍しているか業者を選ぶ
  4. 見積もりの細かい内訳を出してくれる業者を選び、自分たちでできる作業は自分たちが行うことにする

複数社で見積もりをとれば、異様な高額を支払ってしまう間違いを防げます。

2、3のように、許可を得ていたり資格をもっている人が在籍している業者を選べば、かかる費用の理由が気になっても気兼ねなく聞くことができますし、また納得感も得られるでしょう。

当記事の「遺品整理費用を抑える方法」でもお伝えしましたが、自分たちができる作業を相談して引き受けるのも手段の一つです。そして、それができるほど細かく見積もりを出してくれる業者や、相談できるような信頼できる業者を選ぶことが一番ではないでしょうか。

まとめ:遺品整理費用は相続人同士で話し合いスムーズに支払おう

まとめ

遺品整理費用は、相続人が支払う義務を負っています。重要なのは、相続人同士でしっかりと話し合いと合意の場を設け、納得感をもって遺産相続や遺品分配を行うことです。

そうすれば、自ずと誰がどの程度の遺産を相続したかが共有され、遺品整理費用をどのような割合で支払うのかが明確になっていきます。自分たちで作業するにしても思った以上の重労働になったり、遺品の売買をどうすればいいか分からなかったりするため、専門の業者を頼るのがおすすめです。

ぜひ相続人同士で早い段階から教義を行い、納得しあった状態で、スムーズに遺品整理費用を支払えるようにしましょう。

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著者情報

坂本貴志

坂本 貴志

遺品整理の相談所 代表

遺品整理の相談所の代表を務め、廃棄物業界に15年従事しており、遺品整理、生前整理、ゴミ屋敷片付けなどの各種サービスのエキスパート。姉妹サイトでは、一般廃棄物収集運搬業の許可業者のみを紹介する不用品回収のマッチングサイト「不用品回収相談所」を全国展開し、 業界の健全化をビジョンに掲げて事業を運営している。豊富な経験により、個人でも一般廃棄物実務管理者、遺品整理士などの専門資格も取得しており、業界団体の講師や廃棄物業者へのコンサルティングなども務めている。

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