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「強迫性障害で部屋が汚い…」片付けができない原因と解決策を解説

「強迫性障害で部屋が汚い…」片付けができない原因と解決策を解説
著者 坂本 貴志

片付けられていない部屋を見ると、「怠けている」「だらしない」と思われがちです。しかし、本人は片付けようと努力していても、強迫性障害など心の病気が原因で部屋が汚くなってしまうこともあります。

この記事では、強迫性障害によって部屋が汚くなる理由と解決策について、わかりやすく解説します。

この記事を読んで分かること


  • 強迫性障害の概要と片付けられない理由
  • 片付けられないことがおよぼす影響
  • 無理なく進める片付けのコツ
  • 家族や周囲のサポート法
  • 片付け業者の活用と選び方

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強迫性障害だと部屋が汚くなるのはなぜ?

強迫性障害で部屋が汚くなるのは、単に整理整頓が苦手というわけではありません。強迫観念と強迫行為が複雑に絡み合い、片付けを困難にしている可能性があります。片付けられない原因を知り、解決の糸口を見つけましょう。

ここでは、以下の観点で解説しますので、自分の状況を照らし合わせてみてください。

  • 強迫性障害(OCD)とは?
  • なぜ片付けができないのか?3つの主な理由
  • 強迫性障害のタイプ別に見る「片付けられない」ケース
  • ADHDやうつ病など、他の要因が関係している場合も

強迫性障害(OCD)とは?

強迫性障害(OCD:Obsessive-compulsive disorder)とは、頭から離れない不安(強迫観念)と、その不安を和らげるために繰り返してしまう行動(強迫行為)が特徴の精神疾患です。

鍵の締め忘れが不安で何度も戸締まりを確認したり、手が汚れている気がして必要以上に何度も洗ってしまったりと、本人も「やりすぎだ」と感じていてもやめられない行動が日常生活に支障をきたします。強迫性障害は、適切な治療で改善可能な病気でもあります。

参照:強迫性障害|NHKハートネット

なぜ片付けができないのか?3つの主な理由

強迫性障害によって片付けられない背景には、主に以下の3つの理由が考えられます。

1.「完璧にやらなければ」と思いすぎて手をつけられない

強迫性障害の人は完璧主義な傾向があり、「中途半端に片付けるくらいならやらない方がマシ」と考えてしまうことがあります。理想通りにきれいにできる自信が持てず、結局最初の一歩を踏み出せなくなってしまうのです。

2.「これは必要になるかも…」と捨てる決断ができない

「いつか必要になるかもしれない」「捨てたら後で困るかも」と不安が先立ち、物を捨てられないのも一因です。特に確認行為が強い人は、何度も確かめないと気が済まない性質から要不要の判断に時間がかかり、手が止まってしまいます。

3.特定のなやり方でしか片付けられない

強迫性障害のこだわりにより、決まった手順や方法でしか片付けができないケースもあります。自分なりのルールや儀式に沿わない片付け方では落ち着かず、融通がきかないために片付けのハードルが上がってしまうのです。

参照:強迫性障害|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所

強迫性障害のタイプ別に見る「片付けられない」ケース

強迫性障害のタイプによって、部屋の汚れ方や片付けられない理由も異なります。

不潔恐怖(汚染に対する強い不安)のある人は、汚れを避けるあまりゴミに触れられず掃除が進まないことがあります。潔癖が強い人は、帰宅後に持ち物の消毒など特定の行為に時間を費やしすぎて、ほかの掃除に手が回らないケースも見られます。

一方、「戸締まりや火の元が心配で何度も確認してしまう」という確認強迫の人は、物の配置や整理方法にこだわり、何度も修正を繰り返すため、一向に片付きません。

さらに、対称性や順番に強いこだわりを持つタイプでは、少しでも理想と違うと気になってやり直したくなり、片付けが終わらなくなる場合もあります。

参照:ADHDタイプ”の方の対処策①|NCNP病院国立精神・神経医療研究センター、うつ病|厚生労働省

ADHDやうつ病など、他の要因が関係している場合も

部屋が汚くなる原因は強迫性障害だけではありません。ADHD(注意欠如・多動症)やうつ病など、他の要因が片付けを困難にしている可能性もあります。

ADHD:注意力を持続したり物事を順序立てて行うことが苦手なため、掃除を始めても途中で別のことに意識が移ってしまい、最後まで片付けられないことがよくあります。

うつ病:意欲や気力が低下してしまうため、部屋の掃除を行うエネルギーが不足しています。ひとり暮らしの場合は、気づいたらゴミ屋敷状態になってしまうことも少なくありません。

このように複数の要因によって問題を複雑化させている場合、強迫性障害と併存している他の症状も含めた対処が必要になるでしょう。

片付けられないことがもたらすリスクとは?

片付けられない状態を放置すると、衛生環境の悪化や心身へのストレスなど、生活面・精神面で様々なリスクが生じます。ここでは、部屋が散らかったままでいることで起こりうる代表的な悪影響を見てみましょう。

片付けられないことがもたらすリスクとは?

生活環境の悪化(衛生面・健康面)

散らかった部屋では衛生環境が悪化しがちです。べ残しやゴミを放置すれば害虫や細菌が繁殖し、カビが発生してアレルギーや感染症を引き起こす可能性があります。

床に物が散乱していれば、つまずいて転倒したり、割れたガラスで怪我をする危険性も高まります。小さな子供や高齢者が入る家庭では、転倒事故によるケガの影響は深刻です。また、ホコリやダニの増加は、喘息などの呼吸器系疾患を悪化させる要因にもなります。

定期的な換気や掃除を怠ると、室内の空気質は著しく低下し、健康被害のリスクが高まります。

精神的ストレスと自己肯定感の低下

部屋が散らかっていると、目に入る情報量が多すぎて落ち着かず、常にストレスを感じやすくなります。家に帰ってもリラックスできないため心の休まる暇がなく、メンタルヘルスに悪影響が及ぶでしょう。

また「片付けられない自分」に自己嫌悪して、自己肯定感が下がってしまうことも考えられます。常に探し物をしている状態は、時間の無駄でもあり、イライラや焦りを募らせます。

整理整頓されていれば、心理的な安定感をもたらし、集中力の向上につながります。

物の圧迫感がストレスを増幅させる

部屋中に物があふれている状況では、空間的な圧迫感によってさらにストレスが増幅されます。物に囲まれて身動きが取れないような状態は、「逃げ場がない」という心理的プレッシャーとなり、精神的な疲弊をより一層強めてしまうのです。

色彩心理学の観点からも、明るく開放的な空間は心理的な安定をもたらし、ストレス軽減に効果があるとされています。

長期化すると周囲に迷惑をかける

片付けられない状況を長期間放置していると、問題はどんどん深刻化していきます。ゴミや不要物が増え続け、最終的には足の踏み場もない「ゴミ屋敷」へと発展してしまう恐れもあるのです。

衛生上も周囲に迷惑をかけるレベルになります。

  • 強制的なゴミ撤去の措置がとられる
  • 高額な特殊清掃費用が発生する
  • 火災が発生した場合、散乱した可燃物が燃え上がり、被害が拡大する
  • 近隣トラブルに発展し、社会的な孤立を招く

ここまで悪化してしまうと自力で片付けるのはもはや困難で、日常生活にも重大な支障が出るでしょう。

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強迫性障害でもできる!無理なく進める片付けのコツ

強迫性障害があっても、工夫次第で少しずつ部屋を片付けられます。ポイントは完璧を目指さず、ハードルを下げて取り組むことです。

以下では、自分を追い込みすぎず無理のない範囲で実践できる片付けのコツをいくつかご紹介します。「どこから手をつければいいかわからない…」という方も、ぜひ参考にしてみてください。

  • 「とりあえず1分だけ」片付けてみる
  • 「捨てる」のではなく「一時保管」を活用する
  • 片付けをルーティン化する
  • 片付けのハードルを下げるための工夫をする

「とりあえず1分だけ」片付けてみる

片付けのハードルを下げるために有効なのが、「とりあえず1分だけ片付ける」と決めてしまう方法です。たった1分でもいいから始めてみると、不思議とエンジンがかかってそのまま続けられることもあります。

例えば、タイマーを1分にセットし、その間だけ目の前にある物を整理してみましょう。1分で区切ることで、「少しだけなら」と気軽に取り組めます。

仮に1分でやめてしまっても、「少しでも片付けが進んだ」という達成感が得られ、自己嫌悪の軽減につながるでしょう。これを繰り返すことで、徐々に片付けへの抵抗感を減らし、習慣化できます。1分を数回に分けて行うなど、体調や状況に合わせて調整しましょう。

「捨てる」のではなく「一時保管」を活用する

どうしても捨てられない物は、無理に処分しようとせず「一時保管ボックス」に入れてみましょう。迷う物をひとまず生活空間から退避させておけば、その分部屋はすっきりします。

一時保管ボックスに入れる際は、いつまで保管するか期限を決めておくのがおすすめです。「3か月後にもう一度見直す」など、具体的な期限を決めることで、物の整理に対する心理的な負担を軽減できます。しばらく経っても必要としなかった物は「なくても平気だった」と実感できるでしょう。最終的に捨てる踏ん切りもつきやすくなります。

「捨てる」ことをゴールにするのではなく、「今すぐ決めなくても大丈夫」と気持ちを楽にする方法として、一時保管を活用してみてください。ただし、一時保管ボックスに入れることが目的にならないように、定期的な見直しを忘れないようにしましょう。

片付けをルーティン化する

片付けを日々のルーティンに組み込んで習慣化してしまうのも効果的です。

無理なく取り組めるよう、日常生活に組み込みやすい方法を挙げました。

  • 寝る前に、床に落ちている物を拾って片付ける
  • 服を脱いだらその場に置かず、すぐに洗濯カゴへ
  • 期限切れの食材や調味料を1つ見直す
  • 1日1か所だけ片付ける
  • 郵便物やチラシに目を通し、不要な物は処分する
  • 使用後の物を元に戻す

最初は、忘れてしまっても構いません。続けるうちに「散らかったら元に戻す」という行動が身についてきて、汚部屋化を防ぎやすくなります。ルーティン化することで、片付けに対する心理的ハードルが下がり、継続しやすくなるでしょう。

片付けのハードルを下げるための工夫をする

片付けに対する心理的ハードルを下げるため、できるだけ「簡単に片付けられる仕組み」を作っておきましょう。

例えば、部屋の数か所にゴミ箱や収納ボックスを設置し、思い立ったときにすぐゴミを捨てたり物をしまえたりする環境を整えます。汚れに触ることへの不安が強い場合は、掃除用の使い捨て手袋やマスクを活用すれば心理的抵抗が和らぎ作業に取りかかりやすくなるでしょう。

自分に対して、「全部やらなくていい」「今日はここまでで大丈夫」といったハードルを下げる声かけをすることも大切です。また、ご褒美を用意するなど、モチベーションを維持する工夫も効果的です。

強迫性障害の可能性がある人に家族や周囲ができるサポート

家族や周囲の人にとっても、「どう接すればいいのだろう?」と悩むことがありますよね。強迫性障害の可能性がある人に対しては、本人がプレッシャーを感じず、少しでも片付けに前向きになれるようなサポートを心がけることが大切です。

以下に、周囲ができる具体的な支援のポイントを紹介します。

  • 無理に片付けを強要しない
  • 一緒に小さな目標を決める
  • 家族ができる具体的な声かけの例

無理に片付けを強要しない

家族として注意したいのは、「怠けているだけ」「だらしないから部屋が汚いのだ」と決めつけて、無理やり片付けを押し付けないことです。汚部屋の背景には心の病が影響している可能性が高く、単なる怠慢ではありません。

強引に叱責されたり強制されたりすると、本人はプレッシャーで萎縮してしまい、かえって状況が悪化しかねません。まずは「大変だよね」「辛いよね」と気持ちに寄り添い、安心感を与えてあげることが大切です。

一緒に小さな目標を決める

いきなり「全部片付けて」と要求するのではなく、家族も一緒に小さな目標を設定してあげましょう。例えば「今日は床に散乱した衣類をカゴに入れるところまでやってみようか」といった具合に、具体的で達成しやすいステップを提案します。

家族も隣で見守りつつ手伝えば、本人も安心して取り組めますし、目標をクリアするごとに一緒に達成感を味わえます。「少しできた」という成功体験の積み重ねが自信につながり、次の片付けへの意欲も湧いてくるでしょう。

家族ができる具体的な声かけの例

当事者への声かけ次第で、片付けに対する意欲や安心感は大きく変わります。励ましや受容の気持ちを伝える言葉を意識しましょう。例えば、次のような声かけが効果的です。

  • 「一人でやらなくても大丈夫だよ。一緒にやってみよう。」
  • 「今日はここまで片付いたじゃない!頑張ったね。」
  • 「無理しなくていいから、ゆっくりやろう。」
  • 「一人で抱え込まなくてもいいんだよ。いつでも手伝うからね。」

このように、プレッシャーをかけず寄り添う声かけを心がけることで、本人も「自分の気持ちをわかってくれている」と感じ、少しずつ前向きになれるはずです。

強迫性障害かもと思ったときは片付け業者を利用しよう

家族の助けがあっても片付けが難しい場合や、部屋が手に負えない状態まで悪化してしまった場合は、専門の片付け業者に依頼するのも一つの方法です。自力で無理を重ねるより、プロの力を借りることで問題解決への近道となるケースも多いでしょう。

以下で、片付け業者を利用する際に押さえておきたいポイントを解説します。

  • 片付け業者を利用するメリット
  • 片付け業者の選び方と注意点
  • 片付け業者を利用する際の心構え

片付け業者を利用するメリット

大量のゴミや散らかった物の片付けは、プロに任せることで圧倒的にスピーディーかつ安全に進みます。自分では動かせない大型家具や大量のゴミも、業者なら短時間で撤去が可能です。

害虫が発生していたり悪臭が染みついた部屋でも、専門業者なら適切な薬剤や機材を使って衛生的な環境に戻してくれます。何より、自分一人では気が滅入ってしまう大掛かりな作業を代行してもらえるため、精神的な負担が大きく軽減される点がメリットです。

片付け業者の選び方と注意点

片付け業者にも様々な種類があるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

  • 事前に口コミや評判を調べ、無料見積もりを出してくれる業者に依頼する
  • 作業内容や料金体系は業者ごとに異なるため、不明点は契約前に確認する

また、中には悪質な業者も存在するので注意が必要です。相場より極端に安い価格を謳って後から高額請求してくる、強引に契約を迫ってくるなどの業者には警戒しましょう。納得できる業者が見つかるまでは、複数社に見積もりを依頼して比較検討するのがおすすめです。

片付け業者を利用する際の心構え

業者に依頼することを恥ずかしがる必要はありません。実際に片付け業者を利用する人は珍しくなく、プロは散らかった部屋にも慣れています。むしろ、「これで生活環境が良くなる」と前向きに捉えましょう。

作業当日は、捨てたくない大事な物があれば事前に分けてスタッフに伝えておくと安心です。途中で「やっぱり捨てるのが不安…」と感じたときは、その気持ちを伝え、相談しながら進めてもらいましょう。

プロの手で部屋が片付いていく過程を見れば、不思議と気持ちも軽くなるはずです。

まとめ:強迫性障害かもと思ったら「できること」から始めよう

まとめ:強迫性障害かもと思ったら「できること」から始めよう

部屋が片付けられず悩んでいる人の中には、単なる性格の問題ではなく強迫性障害など心の病が影響しているケースがあります。この記事に思い当たる点がある場合は、まず無理のない範囲で「できること」から片付けを始めてみましょう。

強迫性障害は、治療によって改善が期待できる病気です。専門の医療機関に相談しつつ、家族やプロの力も積極的に借りてみてください。「自分ではどうにもできない…」と感じたら、ひとりで抱え込まずに相談しましょう。

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著者情報

坂本貴志

坂本 貴志

遺品整理の相談所 代表

遺品整理の相談所の代表を務め、廃棄物業界に15年従事しており、遺品整理、生前整理、ゴミ屋敷片付けなどの各種サービスのエキスパート。姉妹サイトでは、一般廃棄物収集運搬業の許可業者のみを紹介する不用品回収のマッチングサイト「不用品回収相談所」を全国展開し、 業界の健全化をビジョンに掲げて事業を運営している。豊富な経験により、個人でも一般廃棄物実務管理者、遺品整理士などの専門資格も取得しており、業界団体の講師や廃棄物業者へのコンサルティングなども務めている。

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