突然、大切な人を失い特殊清掃が必要になった…想定外の状況に直面し、悲しみや戸惑いで何から手を付けて良いか分からない人も多いでしょう。
そんな中、高額になりがちな特殊清掃の費用は大きな不安材料です。費用相場を知らないまま業者に任せてしまうと、焦りから相場以上の高いサービスを選んでしまう例もあります。
この記事では特殊清掃の費用相場や費用を抑えるコツ、そして信頼できる業者の選び方について、遺族や管理者の気持ちに寄り添いながら丁寧に解説します。
この記事を読んで分かること
- 状況別・作業別にみる特殊清掃の費用相場
- 特殊清掃の費用が高くなる理由
- 特殊清掃の費用を安く抑える方法
- 悪質業者を避けるための業者選びのポイント
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状況ごとの特殊清掃費用
特殊清掃の費用は、孤独死や事件・事故などの発生状況や、家屋の間取り規模、汚染箇所など現場の種類によって大きく変動します。必要な作業量は、汚染の程度や範囲によって異なるため、それが費用に直結します。
ここでは、現場のタイプ別に特殊清掃のおおよその費用目安を見ていきましょう。自身のケースに近い状況を把握することで、適正な見積もり額の検討が付きやすくなります。
ワンルーム・1K:5万〜20万円程度
一人暮らし向けのワンルームや1Kの部屋は、比較的狭いため、汚染範囲が限定的であれば特殊清掃費用を抑えやすい傾向にあります。軽度の汚染であれば、5万円~10万円程度で済むケースもありますが、発見が遅れ汚染が深刻化している場合や、家具・寝具などの家財の撤去・処分が必要な場合は、20万円近くまで費用が上がることがあります。
ただし、孤独死が発生した賃貸物件などでは、汚染状況によっては小さな部屋でも高額な清掃費用がかかることがあるため、注意が必要です。
2DK以上:30万〜50万円以上かかることも
2DK以上の物件では、ワンルームや1Kに比べて部屋数が増え、作業範囲が広くなるため、特殊清掃費用も高額になる傾向があります。汚染が一部屋にとどまらず、複数部屋に及ぶ場合や、家財の量が多い場合は、30万円~50万円、あるいはそれ以上の費用がかかることも珍しくありません。
特に、長期間にわたって発見されなかったケースでは、汚染の範囲が広がりやすく、費用も高額になる傾向があります。
浴室・トイレ:15万〜30万円前後
浴室やトイレは、体液や汚染水などが飛び散りやすく、密閉空間であることから臭いがこもりやすいという特徴があります。そのため、徹底的な消毒・清掃に加え、強力な消臭作業が必要となるため、特殊清掃費用は比較的高額になる傾向があります。
汚染の程度が軽ければ15万円程度で済む場合もありますが、浴槽の解体や配管の洗浄などが必要になると、30万円程度の費用がかかることもあります。
ゴミ屋敷+特殊清掃の組み合わせ:50万円以上も
ゴミ屋敷と特殊清掃が組み合わさる場合、室内に大量のゴミが堆積しているため、特殊清掃の前にまずゴミの撤去作業が必要となります。このゴミの撤去に多大な時間と労力がかかるため、特殊清掃費用は通常のケースよりも大幅に高額になります。
1K程度の広さでも、ゴミの量が非常に多い場合には、100万円近い費用がかかることもあります。害虫駆除や悪臭除去なども必要になる場合が多く、費用が高額になる要因となります。
原状回復が必要な場合:さらに10万〜数十万円追加
特殊清掃によって汚染物の除去や消毒・消臭が完了した後、壁や床、天井などに汚染が染み付いている場合には、原状回復工事が必要になることがあります。具体的には、壁紙の張替え、床材の交換、場合によっては下地材の交換などが必要となり、これらの工事には別途費用がかかります。
原状回復工事の費用は、工事の規模や範囲によって大きく変動しますが、10万円~、規模によっては100万円を超えることもあります。特殊清掃と原状回復は別々の業者に依頼することも可能です。
参照:住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について|国土交通省
作業別にみる特殊清掃の金額目安
特殊清掃には、汚染物の撤去、消毒、脱臭、場合によっては害虫駆除やリフォームなど、さまざまな工程があり、それぞれ専門的な知識や技術が必要となります。そのため、各作業ごとに費用が加算され、最終的な総額が決定されます。
以下に主な作業項目とその費用目安を示します。現場の状況によって必要な作業は異なりますが、見積もり内訳の項目と照らし合わせることで、費用の妥当性を判断するのに役立ててください。
汚染物撤去・廃棄:1万〜10万円前後
特殊清掃では、汚染された家具や寝具、その他の家財などを撤去し、適切に廃棄する作業が発生します。これらの家財は、体液や汚物などが染み込んでいる場合が多く、通常のゴミとして処分することができません。
そのため、専門業者による撤去と廃棄が必要となり、その費用も特殊清掃費用に含まれます。家財の量が多いほど、作業に必要な人員や車両が増えるため、費用も高くなる傾向があります。また、感染症のリスクがあるため、撤去作業には専門的な知識と防護装備が必要となります。
参照:廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について|法令・告示・通達|環境省
消毒・殺菌作業:作業範囲によって2万〜10万円前後
特殊清掃において、消毒・殺菌作業は非常に重要な工程です。これは、体液や血液などが付着した場所を徹底的に消毒し、ウイルスや細菌の繁殖を防ぐために行われます。
消毒・殺菌作業の費用は、汚染範囲の広さに比例して高くなる傾向があります。広範囲にわたる消毒が必要な場合や、特殊な薬剤を使用する必要がある場合は、10万円程度の費用がかかることもあります。
消毒作業は、二次感染のリスクを低減するためにも、専門的な知識と技術を持った業者に依頼することが重要です。作業後には、消毒が適切に行われたかどうかの確認作業も含まれる場合があります。
オゾン脱臭・消臭作業:3万〜15万円程度
特殊清掃では、腐敗臭や体液の臭いなど、通常の清掃では除去できない強烈な臭いを消臭するために、オゾン脱臭機などの専用機材を使用します。
オゾン脱臭は、臭いの元となる物質を分解するため、高い消臭効果が期待できます。作業時間や臭いの強さによって費用は変動しますが、一般的には3万円~15万円程度が目安となります。重度の臭いの場合や、広い範囲の消臭作業が必要な場合は、費用が高くなる傾向があります。
害虫駆除:別料金で5万〜10万円(別途料金)
特殊清掃の現場では、ハエやウジ、ゴキブリなどの害虫が大量発生している場合があります。これらの害虫は、汚染物質を媒介するだけでなく、二次感染の原因となる可能性もあるため、駆除が必要です。
害虫駆除は、特殊清掃とは別料金となる場合が多く、費用は害虫の種類や発生状況によって変動します。専門業者による駆除作業が必要となるため、5万円~10万円程度の費用がかかることが一般的です。また、害虫駆除後も、再発防止のために定期的な清掃や管理が必要となる場合があります。
リフォーム(クロス張替え・床材補修など):10万円~
特殊清掃後、汚染が壁や床、天井などに染み付いている場合、清掃だけでは臭いや汚れを完全に除去できないことがあります。このような場合、クロスの張替えや床材の補修などのリフォーム作業が必要となります。
リフォームの範囲や程度によって費用は大きく変動しますが、10万円~、場合によっては数十万円以上の費用がかかることもあります。リフォームは特殊清掃とは別料金となる場合が多いため、事前に業者に確認しておくことが重要です。
特殊清掃の費用が高くなる主な理由
どうして特殊清掃はここまで高額になりがちなのでしょうか?
通常の掃除に比べ費用が膨らむ背景には、作業の特殊性や現場状況による要因があります。見積もり金額に驚いたときは、以下のような理由で費用が積み上がっている可能性を考えてみてください。
死後の経過日数が長いと腐敗が進み清掃範囲が広がる
ご遺体の発見が遅れ、死後の経過日数が長くなると、腐敗の進行は著しくなります。これにより、体液が広範囲にわたり染み込み、清掃作業だけでなく、汚染された箇所の除去や徹底的な消毒作業が不可欠です。
特に、腐敗が進んだご遺体は、感染症のリスクも高まるため、より慎重かつ専門的な対応が求められます。また、腐敗臭は通常の清掃では除去が難しく、特殊な薬剤や消臭機材の使用、場合によっては複数回の作業が必要となるため、費用が高額になる要因となります。
これらの作業は、専門知識と技術を持つ特殊清掃業者によって行われる必要があり、その専門性も費用に反映されます。
体液や血液の浸透範囲が広いと床や壁の解体が必要
体液や血液が床材や壁の内部にまで深く浸透してしまうと、表面的な清掃だけでは完全に汚染物質を取り除くことができません。このような場合、汚染された床板や壁紙、さらには下地材の解体・撤去が必要となり、その後の修復工事も伴います。
汚染範囲が広範囲に及ぶほど、解体・撤去や修復にかかる費用も増大します。解体作業には専門的な技術と時間を要し、廃材の処理費用や新たな資材の費用も発生するため、特殊清掃の費用が高くなる大きな理由の一つです。
強い臭気や害虫対応が必要で専用機材や薬剤が増える
腐敗臭は非常に強烈で、一般的な清掃方法では完全に除去することが困難です。特殊な消臭剤の噴霧やオゾン脱臭機などの専用機材を用いた徹底的な消臭作業が必要となるでしょう。
また、ご遺体の状況によっては、ハエやウジなどの害虫が大量に発生していることもあり、これらの駆除作業も専門的な知識と薬剤を要します。これらの特殊な対応にかかる費用が、全体の費用を押し上げる要因となるのです。
建物の構造・搬出条件による作業効率が低下する
現場となる建物の構造や搬出条件は、特殊清掃の作業効率に大きく影響します。作業効率が低くなる現場は、主に以下の通りです。
作業効率が低下する要因 | 具体的な状況 |
---|---|
作業スペースの制約 |
|
心身への悪影響 |
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複雑な間取りによる作業範囲の煩雑 |
|
上記のような状況は、特殊清掃の費用が高くなる要因となります。
家具や家財が多い現場は作業量が増加する
室内に大量の家具や家財が残されている場合、それらの撤去・分別・処分作業が特殊清掃の作業に追加されます。これらの作業には人手と時間を要し、さらに、自治体のルールに従った適切な処分費用も発生するためです。
大型家具や家電製品の処分には別途費用がかかる場合が多く、これらの費用が特殊清掃全体の費用を増加させる要因となります。事前に家財の量を把握しておくことが、費用を抑えるための重要なポイントです。
特殊清掃の費用を安く抑える方法
高額になりがちな特殊清掃費用ですが、いくつかの工夫で負担を軽減できる可能性があります。いざという時のために、特殊清掃費を少しでも安く抑える方法を知っておきましょう。
- 早期対応で腐敗進行を抑え、作業を簡略化
- 必要な作業だけ依頼し、不要なリフォームやオプションを削る
- 遺品整理やリフォームを別業者に依頼してコスト調整
- 保険(火災保険・共済)の適用範囲を確認する
- 複数社に見積もりを取って比較する
早期対応で腐敗進行を抑え、作業を簡略化
ご遺体の発見が遅れると腐敗が進行し、汚染範囲の拡大や悪臭の深刻化を招き、清掃・消毒作業が大規模になり費用も増大します。
早期に対応することで、これらの負担を大幅に軽減できます。腐敗の初期段階であれば、清掃範囲を限定的に抑えられ、消臭作業も比較的容易に進むため、結果的に費用を抑えることにつながります。異変に気付いたら、できるだけ早く専門業者に相談することが重要です。
必要な作業だけ依頼し、不要なリフォームやオプションを削る
特殊清掃業者によっては、清掃と合わせてリフォームや様々なオプションサービスを提案してくる場合があります。しかし、費用を抑えたい場合は、本当に必要な作業だけを見極めて依頼することが大切です。
例えば、原状回復を最小限に留めたい場合、内装のリフォームは必須ではありません。見積もり時に各作業の内訳をしっかりと確認し、不要な項目は遠慮なく削減を交渉しましょう。
遺品整理やリフォームを別業者に依頼してコスト調整
特殊清掃、遺品整理、リフォームはそれぞれ専門性の高い分野です。まとめて一社に依頼すると便利ですが、必ずしも費用が抑えられるとは限りません。
複数の専門業者からそれぞれ見積もりを取り、比較検討することで、より費用対効果の高い業者を選ぶことができます。手間はかかりますが、それぞれのサービスを最も得意とする業者に依頼することで、質の向上とコスト削減の両立が期待できます。
保険(火災保険・共済)の適用範囲を確認する
加入している火災保険や共済などの保険契約によっては、特殊清掃費用が補償の対象となる場合があります。孤独死や事故死などの状況によっては、保険金が支払われる可能性があるため、必ず保険会社に連絡し、適用範囲や申請手続きについて確認しましょう。
家財保険に加入している場合は、室内の汚染に対する補償が含まれている可能性もあります。保険が適用されれば、自己負担額を大幅に減らすことができます。保険証券を確認し、特約なども含めて詳細を確認することが重要です。
複数社に見積もりを取って比較する
特殊清掃の費用は、業者によって料金体系やサービス内容が大きく異なります。適正な相場を把握し、納得のいく業者を選ぶためには、最低でも2〜3社から見積もりを取り、比較検討することが不可欠です。
見積もりを比較する際には、料金だけでなく、作業内容、使用する薬剤、実績、アフターフォローなども確認しましょう。複数の見積もりを比較検討することで、不当な高額請求を防ぎ、自身の状況や予算に合った最適な業者を選ぶことが可能になります。
悪質業者を避けるための業者選びのポイント
特殊清掃業者は、信頼できるところを選びたいものです。不安に乗じて法外な請求をしたりずさんな作業を行ったりする悪質業者に当たらないよう、業者選定時には次のポイントに注意しましょう。適正価格かつ丁寧に対応してくれる優良業者を見極めれば、費用面でも仕上がり面でも後悔を防ぐことができます。
- 極端に安い見積もりは要注意
- 見積もりの内訳が明確かどうか
- 有資格者(事件現場特殊清掃士など)が在籍しているか
- 口コミ・施工事例が確認できるか
- 紹介サービスを活用するのも安心材料のひとつ
極端に安い見積もりは要注意
不当に安い見積もりを提示する業者は、後から高額な追加料金を請求したり、必要な作業を省いて不完全な清掃で済ませる可能性があります。相場からかけ離れた安さには注意が必要です。複数の業者から見積もりを取り、極端に安い業者にはその理由を詳しく確認しましょう。
不明瞭な点があれば契約を避け、慎重な判断が求められます。安さだけでなく、サービス内容や信頼性を総合的に評価することが重要です。
見積もりの内訳が明確かどうか
信頼できる業者は、見積書に作業項目ごとの料金や使用する薬剤、人員構成などを詳細に記載し、丁寧な説明を行います。内訳が不明瞭な場合、後々のトラブルにつながる可能性があります。見積もり時に疑問点をしっかりと質問し、納得のいく説明が得られない業者との契約は見送るべきです。
明確な見積もりは、業者の透明性の証であり、安心して依頼できるかどうかの判断材料となります。追加料金が発生する条件やタイミングについても、事前にしっかりと確認しておきましょう。
有資格者(事件現場特殊清掃士など)が在籍しているか
特殊清掃は専門的な知識や技術を必要とする作業です。事件現場特殊清掃士などの専門資格を持つスタッフが在籍している業者は、適切な知識と技術に基づいた高品質なサービスを提供できる可能性が高いと言えます。資格の有無は、業者選びの重要な判断基準の一つとなります。
ホームページなどで資格情報を確認したり、直接問い合わせて確認するようにしましょう。資格を持つ業者は、感染症対策や特殊な清掃技術に関する専門知識を有しているため、より安全で確実な作業が期待できます。また、資格取得には一定の経験や知識が必要とされるため、業者の信頼性を示す指標の一つとなります。
口コミ・施工事例が確認できるか
実際にその業者を利用した人の声や、過去の施工事例は、業者の信頼性や技術力を判断する上で非常に役立ちます。ホームページや口コミサイトで情報を確認し、良い評判が多いか、どのような作業を行ってきたかなどを把握しましょう。
具体的な事例が掲載されている場合は、作業の質や仕上がり具合をイメージするのに役立ちます。業者の透明性を示す重要な情報源となります。ネガティブな口コミの内容とその業者の対応を確認することで、トラブル発生時の対応力も見極めることができます。
紹介サービスを活用するのも安心材料のひとつ
専門の紹介サービスは、一定の基準を満たした信頼できる業者と利用者をマッチングしてくれます。自分で悪質な業者を見抜く自信がない場合や、忙しくて業者を探す時間がない場合に有効な手段です。
紹介された業者は一定の審査を経ているため、安心して依頼できる可能性が高まります。ただし、紹介された業者であっても、見積もり内容や対応をしっかりと確認することが重要です。
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まとめ:特殊清掃の費用は事前確認と比較で納得の結果に
特殊清掃の費用は、現場の状況によって大きく変動します。高額になりがちですが、早期対応による腐敗進行の抑制、必要な作業の見極め、複数業者からの見積もり比較などで費用を抑えることが可能です。
悪質業者を避けるためには、極端な安さに注意し、見積もり内訳の確認、有資格者の有無、口コミや施工事例の確認が重要です。事前にしっかりと情報収集と比較検討を行うことで、納得のいく特殊清掃を実現しましょう。
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